No.291
タイトル
グローリーデイズ/夢見る頃はいつも
(原題)
YOUNGER AND YOUNGER
監督
パーシー・アドロン
脚本
パーシー・アドロン
キャスト
ドナルド・サザーランド、ブレンダン・フレイザー、ジュリー・デルピー他
制作
1993年/アメリカ、ドイツ
ジャンル ドラマ
上映時間
97分
評価
★★
<ストーリー>
ロスで貸倉庫を営むジョナサン・ヤンガー(ドナルド・サザーランド)は、遊び人で女に目がない。しかし、陰ながら経営を支えていた妻ペニー(ロリータ・ダヴィドヴィッチ)が急死して以来、彼女の幻にとりつかれている。そんな中、彼とは正反対の真面目な息子ウィンストン(ブレンダン・フレイザー)がイギリス留学から戻ってくる.....。

<コメント>
『バグダッド・カフェ』(1987)のパーシー・アドロン監督が脚本まで手がけたドラマ。ロスで貸倉庫業を営む女たらしの男を中心に、人間の滑稽さと人生の切なさをファンタジックに描いた作品です。貸倉庫の店主に名優ドナルド・サザーランド(『普通の人々』(1980)等)、その息子にブレンダン・フレイザー(『ジャングル・ジョージ』(1997)等)がキャスティングされています。

『バグダッド・カフェ』は行き場を失いながらも静かに楽しく生きる人々の丁寧な描写と、幻想的な色合いの映像+アンニュイな音楽がピッタリ重なり合った秀作でしたが、本作も基本的に同作の延長線上にあります。しかしながら、舞台やストーリーがいかにもアメリカ的、現実的に寄りすぎた感があり、ファンタジーな要素もあるものの、バランス的に今ひとつ。それぞれの要素が全体の質感としてまとまっていない気がします。前半を見る限りではドナルド・サザーランド演じる貸倉庫の店主が主人公であり、彼の喪失と後悔、再生の物語?と思うのですが、後半からその息子の方に焦点がぶれてしまいます。そうやって見ていくとサザーランドのキャスティングも疑問に...。母親が死に至る場面の描写は、良くも悪くも彼のキャラクターもあって下品さが貫かれておらず、中途半端にお行儀良くなってしまいました。もっとワイルドなダメ男でも良かったかも。放蕩親父を持った息子の物語であれば、ですが。そもそもそういう深いところで人間関係を描く監督ではないのかもしれません。男優陣に比べ女優陣は ロリータ・ダヴィドヴィッチ、ジュリー・デルピー共にいい味出しています。
原題『YOUNGER AND YOUNGER』は主人公の親子がパートナーシップを組んで、新たに経営を行う際の社名ですから、父と息子の関係や絆についても表現したかったのかもしれませんが、そのあたりもちょっともったいない。それでも、派手でカラフルな映像や音楽に重きを置いた演出はこの監督らしい手法で、独特の軽さがあります。『バグダッド・カフェ』テイストの映画が好きな方には楽しめる作品だと思います。

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