No.486
タイトル
ホワイト・オランダー
(原題)
WHITE OLEANDER
監督
ピーター・コズミンスキー
脚本
メアリー・アグネス・ドナヒュー
キャスト
アリソン・ローマン、ミシェル・ファイファー
制作
2002年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
109分
評価
★★★

【 ストーリー 】
ロサンゼルスに住む15歳の少女アストリッド(アリソン・ローマン)。彼女の母親イングリッド(ミシェル・ファイファー)は美貌の持ち主で、さらにアーティストとしても成功している。父親が誰か知らないまま育ったアストリッドの人生は、彼女に多大な影響を受けていた。そんな折、イングリッドが、恋人バリーを殺害した罪で逮捕されてしまう...。

【 コメント 】
ホワイト・オランダーとは透き通るように白く美しい花を咲かせながら、一方で強力な毒素を持つ花、夾竹桃のこと。
主人公アストリッドの母親イングリッドは、女性としての美貌を持ち、アーティストとして自立した人生を送る反面、時に人を傷つけるほど自己中心的な一面を持った、まさにホワイト・オランダーのような女性。しかしながら、その強さ=毒性ゆえに、愛人の男性を殺害してしまい、囚人となってしまいます。そして母親の影響下に育ってきた純粋な娘アストリッドが社会に放り出されて受ける数々の試練。強さとは必ずしも正しさではありません。大切なのは、母親の教えを受け入れつつも自らの考えを持ち、自分の足で人生を歩むこと。母親に従うことが正しいことではないとわかったアストリッドは、自分なりの人生を歩み続けます。そしてそれを受け入れた母親の決断。普通の家族として暮らせない環境であることから、遠回りはしたものの、母と娘がそれぞれ女性として、人間として本当の意味で自立するラストからは、ただ鋼のような強さだけではなく、他者を受け入れつつも成長できる優しさを伴った強さが伝わってきました。
母親は決して間違ったことは言っていないと思うのですが、自分の信じた道が他人にとって正しい道かどうかは疑問。さらに、現実的には、殺人の罪で服役している身であり、それは自分のエゴを通した結果と言えなくもありません。彼女の犯した罪については、いろんな解釈が出来るように作られているので、そのあたりは見る人の判断によると思いますが、個人的には、もう少し社会的な正当性も感じられた方が母親にも感情移入できたかと。
母親役のミシェル・ファイファー、里親役としてロビン・ライト・ペンにレニー・ゼルウィガーと、豪華女優陣の演技も見所。主人公のアストリッドを演じたアリソン・ローマンの、少女の揺れ動く心情を表現した演技も見事です。ヒリヒリとした中にも人間の寛容さ、優しさが感じられる作品です。

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