No.109
タイトル
ウェストワールド
(原題)
WESTWORLD
監督
マイケル・クライトン
キャスト
ユル・ブリンナー、リチャード・ベンジャミン、ジェームズ・ブローリン他
制作
1973年/アメリカ
ジャンル SFドラマ
上映時間
90分
評価
★★★★
<ストーリー>
精巧なロボットと制御システムの粋をこらし、開拓時代の西部を完全に再現したレジャー施設「ウェストワールド」。そこは巨大なコントロールセンターによって完全に制御されているはずの世界だったが、ある日ロボットたちが徐々に狂い始める.....。

<コメント>
アメリカを代表するヒットメーカー・マイケル・クライトンが自作小説を脚色・初監督した作品。人間を楽しませるために作られたロボットが、突如、人間を襲い始めるという恐ろしい近未来の世界を描いています。

数あるSF作家の中でもマイケル・クライトン氏はどちらかというとエンターテイメント色が強い印象がありますが、それゆえに映画になった時に映像と世界観がハマると非常に楽しめる作品になると思います。成功例として、一般的によく知られた作品では『ジュラシック・パーク』シリーズがありますが、個人的にはやはりこの『ウェストワールド』を挙げたいですね。まあ、設定といい、ストーリー展開といい、ロボットが恐竜に置き換わっただけ言えなくも無いと思いますが...。

近未来のアミューズメント施設を舞台とした発想の面白さ、顧客(コントロールされる側)と企業(コントロールする側)を交錯させながら描く緊張感溢れる導入部分、無機質なロボットが淡々と人間を追い詰めていく演出の不気味さ等々、いろいろと見所はありますが、とにもかくにも殺人ロボット役のユル・ブリンナーです。ユル・ブリンナーと言えばやはり『王様と私』(1956)でしょうし、『荒野の七人』(1960)何でしょうけれども、ここでの彼の演技・存在感・インパクトは特筆モノ。昔テレビでも放映されたので、同年代の方(30代半ば)でトラウマ(?)になっている方は結構いらっしゃると思いますよ。冷静で容赦のないところはまさに70年代のターミネーター。人を殺した後の表情からは様々な感情が読み取れるのですが、でも間違いなくロボットの表情なんです。ロボットたちが狂いだす原因についてはもう少し具体的に描いても良かったような気がしますが、まあ、考えようによっては理由があいまいな方が逆に怖いかも。ロボットを奴隷化しようとした人間への復讐、とかだとまだ納得できる部分がるんですけれどね。そういうの微塵も無いから、純粋に追い詰められる恐怖がさらに浮き上がってきます。ロボットたちが少しずつ狂いだす過程の見せ方もうまい。もともとは自分たちが作り出したものが、何らかの理由で制御不可能になり、自分たちにとって脅威になるという展開は、ありがちですが風刺が効いています。コントロールセンターの顛末が安易だったり、特撮部分が少ししょぼかったりするところはご愛嬌。その他、今見ると稚拙な部分も無いわけではありませんが、それでも人間とロボットの共存における最悪の結果をこういう形で表現されるとやはり怖いですね。

ちなみにマイケル・クライトンが『ライジング・サン』(1993)や『ジュラシック・パーク』(1993)で大ブレイクしたときには、いずれ『ウェスト・ワールド』がリメイクされるのではないかと思っていましたが、未だにされませんねー(まさか先に『猿の惑星』とは!)。もしされるとすれば、監督はやっぱりスピルバーグやリドリー・スコットになっちゃうのかなー。まあしかし、いずれリメイクされることは間違いないでしょう。登場人物の一人が、ロボットとはいえ見た目は人間の相手を殺す場面を想像して楽しむ場面、怖いです。

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