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タイトル
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ウェザーマン |
(原題)
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THE WEATHER MAN |
監督
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ゴア・ヴァービンスキー |
脚本
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スティーヴ・コンラッド |
キャスト
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ニコラス・ケイジ、マイケル・ケイン他 |
制作
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2005年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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102分 |
評価
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★★★ |
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【 ストーリー 】
シカゴのお天気キャスター、デイヴ・スプリッツ(ニコラス・ケイジ)は1日2時間勤務で24万ドルを稼ぎ出す男。さらに彼には全国ネットの仕事への誘いも。だがそんなビジネスの成功も、私生活での失敗を前に輝きを失っている。離婚、離れていく子供たち。そしてピューリッツアー賞受賞者である父親からの信頼も得られない.....。
【 コメント 】
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで大ブレイクしたゴア・ヴァービンスキー監督作品。ニコラス・ケイジ扮する冴えない男が、家族との距離感や父親への劣等感などに悩みながら人生を生き抜いていく様を、コミカルな描写を含めて正面から描いています。
厳格で地位も名誉もある父親との確執、意思疎通の出来ない家族、仕事への不満など、現代アメリカに生きる中年男性の苦悩が描かれていますが、残念なのは、作品としての質感、アイロニーのバランスなどが、サム・メンデス監督の『アメリカン・ビューティー』(1999)に似ていること。本作の方がバイオレンスの度合いが低い分、ある種のリアリティは保っているのですが、中年男の哀しきオナニーから始まる同作が比較対象に入ってしまうと、アメリカの病巣を浮かび上がらせる社会性という意味でのひ弱さがあまりにも目だってしまいます。
主演もニコラス・ケイジとケビン・スペイシーではやはり後者に軍配が上がる。というか、この二人の俳優の差がそのまま作品の差と近い感じがします。決してニコラス・ケイジが駄目というわけではないのですが。
しかしながら、救いはマイケル・ケインの存在と演技。長い人生を歩み、死を迎え入れる決意をした父親の静かなる言葉が胸に突き刺さります。自分を、人生を、あるがままに受け入れなければ何も始まらない。それを理解するまでの時間の長さが、そのままその人物のモラトリアムの期間になるのかもしれません。ラストシーン、トンネルを抜け出すには遅すぎるし、代償も大きすぎる気がしますが、それでも腹をくくった男の生の一言はグッときます。名言。
おそらくタイトルは『ハローアメリカ』にしたかったのかもしれませんね。
ちなみにDVDでは、冒頭の部分で何作かの映画の予告編が流れるのですが、『スポンジ・ボブ/スクエアパンツ』の予告編だけがスキップできませんでした。何でだろうと思っていたら、本編を見て納得。これって意図的なんでしょうか。
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