No.426
タイトル
ヴィドック
(原題)
VIDOCQ
監督
ピトフ
脚本
ピトフ他
キャスト
ジェラール・ドパルデュー、ギョーム・カネ他
制作
2001年/フランス
ジャンル ミステリー
上映時間
98分
評価
★★★

【 ストーリー 】
1830年のパリ、大泥棒から名探偵への転身を果たした英雄ヴィドック(ジェラール・ドパルデュー)が殺されたというニュースが伝えられていた。犯人は”鏡の顔を持つ男”。生前、彼自身から自伝執筆の依頼を受けたというエチエンヌ(ギヨーム・カネ)は、ヴィドック殺しの犯人を探し始める。しかし一向に捜査は進まず、殺人鬼による被害者は増える一方だった...。

【 コメント 】
『ロスト・チルドレン』(1995)、『エイリアン4』(1997)などで、特殊効果を担当してきたフランスが誇る映像職人・ピトフの初長編監督作品。脚本には監督とともに『クリムゾン・リバー』(2000)の原作者ジャン=クリストフ・グランジェが名を連ねています。
当時最先端技術とうたわれたデジタル・ハイヴィジョンカメラによって全編を撮影した初めての映画作品として話題になりました。
実際、映像的には他の作品と違うコントラストや雰囲気で貫かれていて見ごたえがあります。花の都...ではなく、平安京のような妖しさと美しさと暗さを兼ね備えたパリの街の描写がいいですねえ。いかにも不思議な事件が起こりそうです。

ヴィドックというのはフランスでは誰もが知っている実在の人物で、ヒーローとして人気があるそうです。本作でヴィドックを演じているのは、ハンサム大男ジェラール・ドパルデュー。どれほど本物のイメージと近いのか分かりませんが、少しやさぐれたアンチ・ヒーロー的なイメージです。でもそれはそれで成立していると思います。ただ、さすがにアクション・シーンはちょっときつそうですが(笑)。

最初に結末から始まる構成や、レトロ・フューチャー的な世界観も面白く、ミステリーとしては結構楽しめると思います。ただ、残念ながら、肝心の犯人の謎解きに関してはちょっともの足りませんでした。映像の質感や派手さに比べて、ラストのどんでん返しが単純かつ唐突すぎる気がします。

映像のみならず、大胆なカットを多用しているところなど、意欲作には違いないと思いますし、ファンタジックな味付けの脚本も悪くないのですが、せっかく最先端技術を使っているのに、内容的にはハリウッド映画によくあるミステリーやサスペンスものと同じような印象になってしまいました。もったいない。続編が作られたり、シリーズ化されれば見たいと思っていたのですが、今のところないようです。それでもこの映像は一度体験しておいて損はないと思います。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送