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タイトル
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モリー先生との火曜日 |
(原題)
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TUESDAYS WITH MORRIE |
監督
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ミック・ジャクソン |
脚本
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トム・リックマン |
キャスト
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ジャック・レモン、ハンク・アザリア他 |
制作
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1999年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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90分 |
評価
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★★★ |
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【 ストーリー 】
売れっ子スポーツライターとして多忙な日々を送るミッチ・アルボム(ハンク・アザリア)は、あまりの忙しさに彼女ともうまくいかない。そんなある日、偶然かつての恩師モリー先生(ジャック・レモン)をテレビで見る。何とモリー先生は不治の病を患っているという。ミッチは早速見舞いに行こうとするが、相変わらず仕事が次から次へと舞い込んできて、なかなか行動を起こせない ...。
【 コメント 】
『お熱いのがお好き』(1959)や『アパートの鍵貸します』(1960)など、数々の名作を残したジャック・レモンの遺作となった作品。原作は全米でミリオンセラーとなった同名のノンフィクション小説。仕事に忙殺される主人公と、不治の病に冒されたかつての恩師との交流を描いた物語。もともとテレビドラマとして放送された作品で、第52回エミー賞にて4部門を受賞しました。
寝る暇もない多忙な日々を送っていた人間が、人の死や優しさに触れて自分を取り戻すと言うのは、アメリカ人が好むストーリー。
ハリウッド映画にもよくあります。本作の主人公も然り。ハンク・アザリア演じるミッチもスポーツライターとして忙しくも華やかな日々を送っているけれど、彼女とはうまくいかず、人生が満たされている実感はありません。そんな中で何かに突き動かされるかのように実現した恩師との再会。そして恩師との交流を通して、徐々に自分の人生に何が必要で何が必要でないかに気づいていきます。
テレビドラマらしく、ジャック・レモン以外はいわゆる大スターは登場しないのですが、ハンク・アザリア、恋人役のウェンディ・モニツなど、出演者はみんな質実で素晴らしい演技を見せてくれます。もちろん、全編を通して見る側の心をノックし続けるのは、ジャック・レモンの語り口。過酷な現実を、なお迷いながらも静かに受け入れて行く姿、そして、自分が学んだことをひとつひとつ教え子に伝える姿、どれも見る側の心に真っ直ぐ突き刺さってきます。禅宗の僧侶でありながら酒を飲み、恋を謳歌した良寛和尚の俳句に「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」という歌があります。人も死に逝く時には”裏”を見せます。決して美しく幸せなことばかりじゃない。しかしそこにこそ人生の真理があり、私たちが学ぶべきことが隠されています。
原作の小説と比較するとやはり内容的にダイジェストっぽい感じは否めませんが、あらためて、人生のスタート地点に立たせてくれる作品です。
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