No.72
タイトル
デヴィッド・バーンの トゥルー・ストーリー
(原題)
TRUE STORY
監督
デヴィッド・バーン
キャスト
デヴィッド・バーン、ジョン・グッドマン、スウージー・カーツ他 
制作
1986年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
90分
評価
★★★
<ストーリー>
舞台はテキサス州の架空の街バージル。登場するのはテキサスを紹介する謎のナレーター(デヴィッド・バーン)、ロマンチックな結婚を夢見る大男ルイス(ジョン・グッドマン)、決してベッドから出ようとしない怠け者の女、とんでもない大ぼら吹きの女等、ひとクセもふたクセもある連中ばかり。これらの人々が複雑に絡み合い、やがてひとつの物語が形成されていく......。

<コメント>
70年代にNYパンク・シーンから飛び出し、80年代の音楽シーンを駆け抜け、未だに色あせない名作『ストップ・メイキング・センス』(1984)という金字塔を打ち立てたトーキング・ヘッズ。そのリーダーで現在でも積極的にソロ活動を行っているデヴィッドバーンが初めてメガホンを取った作品。彼らの7枚目のスタジオ録音となる同名アルバムに付随して作られました(この作品のサントラがそのアルバムという言い方も出来ます)。撮影は『レス・ザン・ゼロ』(1987)、『ヴァージン・スイサイズ』(1999)のエドワード・ラックマン。
デヴィッドバーン自らが案内役として出演し、ミュージック・クリップともドラマとも呼べる作品となっています。テイストとしてはコメディと言えるでしょう。『ストップ・メイキング・センス』を見たときに「デヴィッドバーンという人は見る側と独特の距離感を取る人だなー」と思ったのですが、この作品の中でも直接見る側に語りかける案内人の役と作中の登場人物をいったりきたりしています。それが違和感に繋がらず、フィクションとノン・フィクションの中間を感じさせるあたりが面白いところです。

作品の成り立ちとしては、彼が旅行先で小耳に挟んだ話や新聞のスクラップ等の実話のかけらを紡ぎ合わせた物ということですが、意外と芯は通っています。
彼らは1988年に彼らの音楽活動の集大成とも言える『ストーリーテリング・ジャイアント』というビデオクリップ集を出すのですが、これは曲間にまったく関係の無い普通の人々の”話”が挿入されているというもので、最初は違和感があるのですが、次第にそういうのもすべて飲み込んでトーキング・ヘッズの世界を提示するというとても奇抜な作品でした。それに比べるとずいぶんわかりやすい感じです(そもそも『ストーリー〜』はミュージック・クリップなので同列に考えるのは正しくないかもしれませんが)。

もともと彼らはミュージック・クリップの評価も高く、そのポップな映像は一見の価値ありです。『ワイルド・ワイルド・ライフ』の曲に合わせてホールの観客が次々に歌うシーン等は単純にこういうのやると楽しいだろうなーと思いました。ドラマとして見ても登場人物もなかなか面白いキャラクターが揃っていて飽きませんし、ジョン・グッドマンが相変わらずの変人ぎりぎりの演技を披露してくれるので、後半は結構ちゃんと見られます。
デヴィッド・バーン初監督作品ということは抜きにしてもインパクトはありますが、個人的には前述の2作の方が好きなので星の評価としては3つになりました。
当時『TRUE STORY』というアルバムは今ひとつインパクトにかけると思っていたのですが、この映画を見てその世界観が理解でき、再度アルバムを評価し直した記憶があります。もし「アルバムは聞いたことあるけど映画は見ていない」という方がいらっしゃるなら、ぜひご覧になることをオススメします。

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