No.273
タイトル
トランス
(原題)
THE THOUSAND WONDERS OF THE UNIVERSE
監督
ジャン=ミシェル・ロー
脚本
ジャン=ミシェル・ロー 他
キャスト
チェッキー・カリョ、ジュリー・デルピー、マリア・デ・メディロス他
制作
1997年/カナダ、フランス
ジャンル SF
上映時間
86分
評価
<ストーリー>
現場に残されたミステリーサークル。おびただしい量の電磁波。突如として襲ってくる謎の物体。依頼を受けた天体物理学者ラーセン(チェッキー・カリョ)はエイリアンの関与を疑い、身体を張って調査を進めるが、彼の前に謎の女性イヴァ(ジュリー・デルピー)が立ち塞がる。果たしてこれらの現象の真相は.....。

<コメント>
『トリコロール/白の愛』(1994)、『ティコ・ムーン』(1997)等の作品における、独特の存在感が印象的なジュリー・デルピー出演の近未来SFドラマ。ここでも彼女の役柄・キャラクターが作品全体の雰囲気に影響を与えています。ジャン=ミシェル・ローという人が監督なのですが、他に映画作品は製作していないようです。

結論から言うと、突如発生した大量失踪事件を軸に、宇宙人の仕業か否かという謎を含んだまま進んでいく脚本はそれなりに面白いと思います。作中、誰が味方で誰が敵かわからない、というあたりの設定はこういうドラマには定番ながらちゃんと押さえています。ジュリー・デルビーはもちろん、主役の天体物理学者を演じるチェッキー・カリョ(『ドーベルマン』(1997))や、『パルプ・フィクション』(1994)でブルース・ウィルスの恋人役をキュート(を越えていたかもしれませんが)に演じたマリア・デ・メディロスなんかもそれぞれいい味を出しています。
しかしながら、冒頭のカップルがけんかをするエピソードの場面(橋の上から川に投げ捨てられる男に注目してください。これでちょっと冷めてしまいました...)や、近未来の世界を描写した映像、その他随所に使用されている特殊効果等、軒並みチープ。そう考えると前述のマリア・デ・メディロスが大統領役というのも奇抜というより悪ノリが過ぎた感じがしてしまいます。良い意味でB級テイストの映画は嫌いではないですが、さすがに本作はちょっと手抜きな感じが。中盤以降、ジュリー・デルビーの体当たり演技もあるわけですから、思い切りエロチックなテイストに寄るとか、B級っぽくもっと派手でこってりした映像描写をする等、どこか突き抜けたところがあれば良かったのですが。もっとしっかり作りこめばマイケル・クライトン監督の『コーマ』(1977)+M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』(2002)に『マトリックス』(1999)をまぶしたような作品になったのに、というのは言いすぎでしょうか。いろんな映画を彷彿させる場面が多いので、そういう意味では面白かったですが。

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