No.364
タイトル
知らなすぎた男
(原題)
THE MAN WHO KNEW TOO LITTLE
監督
ジョン・アミエル
脚本
ロバート・ファーラー他
キャスト
ビル・マーレー、ピーター・ギャラガー他
制作
1998年/アメリカ
ジャンル コメディ
上映時間
94分
評価
★★★

【 ストーリー 】
アイオワ州に住むレンタルビデオ店の店員ウォレス(ビル・マーレー)はロンドンで銀行家を営む弟ジェイムス(ピーター・ギャラガー)のもとへ、自分の誕生日祝いのためにやってくる。しかし、ジェイムズは大きな商談パーティのため、それどころではない。やむを得ず、ウォレスを演劇体験ゲーム”ライブ劇場”に参加させてしまうが.....。

【 コメント 】
『ジャック・サマースビー』(1993)、『コピーキャット』(1995)などを手がけたジョン・アミエル監督作品。弟の誕生日を祝うべくアメリカの田舎からロンドンへやってビル・マーレイ演じるウォレス・リッチーが繰り広げるドタバタ劇。タイトルはサスペンスの神様・ヒッチコック監督の『知りすぎていた男』(=The Man Who Knew Too Much)のパロディ。

この作品を成立させているのは大きく二つの要素があります。ひとつは主人公が顧客参加型のサスペンス劇場に放り込まれると言う設定、そしてもうひとつがビル・マーレイのおとぼけぶり。この失敗の無い組み合わせが本作の柱となっています。ではそれが成功しているかと言うと、あまりにもこの設定と俳優に頼りすぎている感が否めません。勝手な思い込みで周りをどんどん巻き込んでいくキャラクターはビル・マーレイの得意とするところですが、その分突き抜ける感じに乏しい気もします。拷問役なんかも出てくるわけですから、悪役にももっとクセのある人を使ってほしかった(精肉屋のアルフレッド・モリナは良いです)。
もちろんそれでも、スパイ騒動に巻き込まれた主人公と周りとのズレはいろんな笑いを誘います。映画としての見せ場もちゃんと作られていて、終盤のコサックダンスのシーンは秀逸。これを成立させるのはコメディアンの実力。さすが。お金しか頭に無い弟の更生物語や、情婦とのロマンスという伏線も中途半端ですが、逆に言えばこの軽さも”味”。コサックダンスのシーンやラストのやり取りがちょっとしつこいところが気になりましたが、これもビル・マーレイならではと考えれば許せる人もいると思います。
大爆笑を期待すると物足りなさを感じるかもしれませんが、全体的にすっきりとまとまったコメディ作品です。大御所の作品をもじった題名もそうですが、冒頭のオープニングタイトルや使われている音楽にもセンスが感じられ、内容を観る前から映画として期待感が高まりすぎてしまうところが難点と言えるかもしれません(笑)。

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