No.196
タイトル
キラーハンド
(原題)
THE HAND
監督
オリバー・ストーン
キャスト
マイケル・ケイン、アンドレア・マルコヴィッチ、マラ・ホーベル他
制作
1981年/アメリカ
ジャンル ホラー
上映時間
104分
評価
★★★
<ストーリー>
森や湖に囲まれた田舎町で仕事に集中したい漫画家のジョン(マイケル・ケイン)とニューヨークで刺激的な生活を送りたい妻アン(アンドレア・マルコヴィッチ)。二人のいがみ合いが特に激しかったある日、あまりに悲惨な交通事故が起こり、ジョンの命ともいうべき右手が失われてしまう。その日からジョンの周りに奇怪な出来事が起こり始める.....。

<コメント>
『プラトーン』(1986)等、極限状態の人間の苦悩する心理を描き続ける巨匠オリヴァー・ストーン監督の作品。近年はホラー作品を撮ることはほとんど無いようですが、もともとデビュー作は『邪悪の女王』(1974)というホラー作品でした(本作は『ミッドナイト・エクスプレス』の脚本を手がけた後の監督2作目)。しかも本作は交通事故で右手が無くなってしまうというシチュエーション。B級っぽさもぷんぷん伝わってきます。けれども、主演はイギリスの名優マイケル・ケインだし、特殊効果は『キングコング』『E.T』『エイリアン』でアカデミー賞も受賞したカルロ・ランバルディ。さらに音楽はこれまたアカデミー受賞者(『タイタニック』)のジェームズ・ホーナーだったりして、もちろん真面目に作っています。
妻とのちょっとしたいさかいを発端にした交通事故で、漫画家にとっての”命”とも言える右手を失った主人公ジョン。彼が失った右手が彼の憎しみの権化となり、気に食わない人物を次々と殺していきます。果たして右手をコントロールしているのは誰なのか、そもそも本当に失われた右手は存在しているのか。
この映画の見所はなんと言っても主人公ジョンを演じるマイケル・ケインの演技に尽きると思います。もともと妻との確執があった中に、自分の存在意義を紡ぎ出す右手を失い、失意にくれるジョン。義手が出来上がったときにまた新たな漫画を描けばよかったのだと思いますが、そこで目先の収入にとらわれペンを握らず、さらに教え子の女子大生の身体に溺れるという、欲望に流されるままの生き方がさらに悪循環を生み出します。希望を失った人間の没落はあっという間。そうやってジョンが徐々に精神のバランスを崩し、現実と幻想の入り混じった狂気の世界に取り込まれていく様をマイケル・ケインが熱演。単なるホラーに終わっていないのは彼のおかげですね。深層心理に動かされる右手が、漫画を描くというようなポジティブな方向に行かず、憎しみのメタファーとして機能するところが、結局人間とは恐ろしい生き物、といったところでしょうか。
残念ながら彼の演技以外は特筆すべき点は見当たりません。演出はまあ可もなく不可もなくという感じですね。それでも手を失う場面のスピード感とか、細かい場面でのホラー的演出やカメラワークはうまいなあと思いましたが。中盤まで結構だれた展開なのがもったいないです。同じだれるなら、右手を失う以前のジョンと妻との関係をもっと描いて欲しかったと思います。終わり方もいかにもという感じですね。もっと心理学的に深く突っ込んでも良かったかも。

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