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No.336 |
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タイトル
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心の指紋 |
(原題)
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THE SUNCHASER |
監督
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マイケル・チミノ |
脚本
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ジュリアン・シュナーベル他 |
キャスト
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ウディ・ハレルソン、ジョン・セダ他 |
制作
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1996年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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123分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
末期癌を宣告された殺人犯ブルー(ジョン・セダ)は、わずかな余命を賭け、エリート医師マイケル(ウディ・ハレルソン)を人質に逃亡を開始する。マイケルはブルーに治療を受けるよう進めるが、ブルーは忠告を聞かず、ロスからグランドキャニオンへと向かう。果たしてブルーの言う「聖なる山」は実在するのか.....。
<コメント>
『ディア・ハンター』(1978)でスター監督の仲間入りを果たし、次作の『天国の門』(1981)の興行的大失敗で経歴に汚点を残したマイケル・チミノ監督。その後『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』(1985)で小復活を果たし、『シシリアン』(1987)、『逃亡者』(1990)と小品を送り出した後、1995年に製作したのが本作。いろいろと賛否両論のある監督ですが、個人的には『ディア・ハンター』は生涯のベスト10に入る作品ですし、その他の作品もどれもそれなりに好きな監督です。
本作も全盛期ほどの勢いはありませんが、末期ガンを宣告された強盗殺人犯の少年と彼の担当医との心の交流を丁寧に描いています。
主役の白人医師をマイケルを演じるのは『ナチュラル・ボーン・キラー』のウディ・ハレルソン。一方、混血のインディアンで強盗殺人犯のブルーを演じるのはジョン・セダ。マイケルと妻や友人たちの日常の描写は、白人エリート層への皮肉たっぷり。白人とインディアンとの関係をテーマにした映画はたくさんありますが、大体こういう感じになりますね。で、主人公の白人が心に癒されぬ傷を負っているのもお約束。本作のマイケル然り。そんな主人公がインディアンの古の教えに反抗しながらも最後には救われ、癒されていくストーリーはある種王道といえるかもしれません。
感動できる場面もありますし、インディアンの教えには日本人の心に素直に入ってくる部分も多く、物語としてすんなり受け入れられるのですが、こういった作品で不満なのはインディアンがやたら神格化されていたり、過去の歴史についてほとんど触れられなかったりするところです。本作もそういった意味ではインディアンに対する迫害の歴史などはほとんど出てきません。なので、ブルーとマイケルの交流よりも、マイケルの成長の物語と捉えた方が納得できるかも。
アメリカの荒涼とした映像は印象的ですが、オープニングの文字の書体や音楽の選曲・使い方にはちょっと違和感を感じました。全体的にまとまっていますが、マイケル・チミノ監督にはさらに重厚なドラマを期待してしまいます。 |
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