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No.315 |
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タイトル
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殺意の香り |
(原題)
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STILL OF THE NIGHT |
監督
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ロバート・ベントン |
脚本
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ロバート・ベントン |
キャスト
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ロイ・シャイダー、メリル・ストリープ他 |
制作
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1983年/アメリカ |
ジャンル |
サスペンス |
上映時間
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91分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
深夜のニューヨーク、とある車の中から死体が発見された。殺された男の名はバイナム(ジョセフ・ソマー)。彼はマンハッタンの精神科医サム・ライス(ロイ・シャイダー)の患者であった。事件の翌日、サムの事務所にバイナムの助手で愛人だったという女性が訪れる。彼女に関わるうちに、サムは事件に巻き込まれていく.....。
<コメント>
『オール・ザット・ジャズ』(1979)のロイ・シャイダーと『ソフィーの選択』(1982)のメリル・ストリープ主演のサスペンス。監督は『プレイス・イン・ザ・ハート』(1984)、『クレイマー・クレイマー』(1979)のロバート・ベントン。ロイ・シャイダー演じる精神科医が、患者が殺されたことから自分自身も殺人事件に巻き込まれてしまう物語です。
2大スター俳優を主演に起用している割りには、全体的に少し地味な印象は否めません。ジョークもなければロマンス要素も控えめで、あまりにも真正面から取り組んでいるせいでしょうか。ハリウッドっぽくないという意味では個人的に嫌いではありませんが。
ストーリー展開は、さすが名作『俺たちに明日はない』(1967)の脚本(デヴィッド・ニューマンとのコンビ作。本作も同じ)からキャリアをスタートさせたロバート・ベントン監督。いろんな伏線やひねりが効いています。最も興味深いのは犯人の謎解きに精神分析的なアプローチを行っているところ。ヒッチコックの作品でも多用される手法ですが、本作はシルエットを多用していたり、ホラーっぽい演出があったり、映像的にもヒッチコックへのオマージュが感じられます。
精神分析的アプローチと書くと昨今のサイコ・スリラーっぽく思われるかもしれませんが、実際にはフロイトの夢判断的アプローチなので、若干短絡的に思えてしまうのも事実。冒頭の死体が登場する場面や、コインランドリーで何者かの気配を感じる場面など、”恐怖”の演出が多少作りこみすぎのような気も。それでも、終盤に近づくにつれて盛り上がっていく展開は飽きさせません。映画的要素にあふれた佳作といった仕上がりです。殺された患者の精神分析のプロセスが挿入されるので、もっと思い切りサイコな方向でリメイクされても面白いかもしれないと思いました。ただ、ラストの真犯人との対決シーンは残念ながらご愛嬌というレベル。それまでの伏線と重なっていると取れなくもないのですが、基本的にはプロセスを楽しんでいただく作品かと。 |
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