No.411
タイトル
スティル・クレイジー
(原題)
STILL CRAZY
監督
ブライアン・ギブソン
脚本
ディック・クレメント他
キャスト
スティーヴン・レイ、ジミー・ネイル他
制作
1998年/イギリス
ジャンル ドラマ
上映時間
95分
評価
★★★

【 ストーリー 】
伝説の「ウィズベック野外フェスティバル」を最後に人気ロックグループ、”ストレンジ・フルーツ”は解散した。それから20年後、ただのオヤジとなったメンバーが「ウィズベック’98」を目指して再結成をもくろむ。挫折感の底に埋もれていた”まだまだやれるぜ”精神。果たして彼らは夢を、伝説のサウンドを、失われたチャンスを取り戻せるのだろうか...。

【 コメント 】
過去の栄光を拠り所に、つまらない人生を送っていたバンドメンバーが、もとバンドの下働きだった女の子カレンの提案で一念発起。再度陽の目を見ることを目標に立ち上がる物語。
監督は『TINA ティナ』(1993)などを手がけたブライアン・ギブソン。主演は『クライング・ゲーム』(1992)の元IRA兵士役で同年のアカデミー賞候補にもなったスティーヴン・レイ。

過去はさておき、今は単なるオヤジと化してしまったバンドメンバーのキャラクターがとにかくおかしいです。突出して変わった人間はいないのですが、みんなどこかずれている。見た目は中年オヤジですが、心は少年そのもの。これぞロッカーです。
単なる復活劇ではなくて、バンドの歴史を絡めて物語が展開していくのも面白い。70年代のロックバンドって結構人数が多くて、実際に人間関係が複雑でしたから、そういう意味ではリアルなのかもしれません。カリスマ的なメンバーの存在、そしてその不在もある意味パターン。ローリング・ストーンズもピンク・フロイドもみんなそうでした。

この手の作品では、オリジナルの楽曲のクオリティが全体の出来を左右するのですが、本作はかなり良いですね。個別のライブシーンでは「もっと見たい」となる場面もありました。バンドの復活が社会的なムーヴメントになっていくようなスケール感はなく、もう少し内省的な完結を見せるところもイギリスっぽくて良いです。単純明快なサクセス・ストーリーというよりは、コメディタッチの友情モノと捉えた方があっていると思います。残念なのは、カレンとその娘の人間関係、そして元恋人との物語をもう少し深く描いて欲しかった。
終盤はちょっと展開が性急な気もしますが、ラストに向けての大団円はスカッとしながらもホロリとさせます。人間と人間のぶつかり合いが素晴らしい音楽を生み出していた時代の空気感がうまく表現されていると思います。当時の音楽を知らない人でも楽しめますのでご安心を。

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