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No.214 |
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タイトル
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サムシング・ワイルド |
(原題)
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SOMETHING WILD |
監督
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ジョナサン・デミ |
キャスト
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メラニー・グリフィス、ジェフ・ダニエルズ、レイ・リオッタ他 |
制作
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1986年/アメリカ |
ジャンル |
コメディ |
上映時間
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113分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
マンハッタンのランチタイム、エリート・ビジネスマンのチャーリー(ジェフ・ダニエルズ)はレストランでいつものクセの無銭飲食を楽しんで(?)いた。ところがある日、それを見破ったちょっと変わった女ルル(メラニー・グリフィス)に迫られ、仕事を放り出したまま一緒にドライブする羽目になる.....。
<コメント>
1991年のアカデミー賞5部門に輝いた『羊たちの沈黙』(1990)で一躍大ブレイクしたジョナサン・デミ監督作品。ある日偶然知り合った女性と関係したことから数奇な運命を辿る男の物語。
個人的にはこういう設定、流れの映画は嫌いではないです。”巻き込まれ系”とでも名付けましょうか、似たような作品を挙げるとマーティン・スコセッシ監督の『アフター・アワーズ』(1985)、ジョン・ランディス監督の『眠れぬ夜のために』(1984)、ダニエル・デイ・ルイス主演の『イングリッシュマン・イン・ニューヨーク』(1988)等々、結構たくさんあると思います。巻き込まれ系、というと、とにかくおかしな人がたくさん出てきて主人公を翻弄するのが常ですが、変人が登場する分大事なのがリアリティ。これがないと単なるドタバタで終わってしまうんですよね。もちろん、完璧なリアリティ等求めようがないのですが、ある程度はつじつまが合っていないとこちらも入り込めない。そういう意味では本作は適度にバランスが取れていてよいと思います。
キャスティング的にはメラニー・グリフィスの突き抜けぶりがいいですね。彼女はなぜかゴールデン・ラズベリー賞のワースト主演女優賞にノミネートされまくるという不運なところもありますが、本作では大人の色気を感じさせます。恋人役レイ・リオッタのキレぶりも、いつもながらである意味微笑ましい(?)ですね。似たような役が多い彼ですが、まあ、ハマり役でしょう。そういう意味では主人公のジェフ・ダニエルズがちょっと印象が弱いかも。
ジョナサン・デミといえばやはりトーキング・ヘッズのライブを収めた80年代映像作品の金字塔『ストップ・メイキング・センス』(1984)。本作も、元ヴェルベット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルとミュージック・パフォーマンスのカリスマ的存在のローリー・アンダーソンが音楽を手がけたことや、その他NYを中心に活躍するミュージシャンたちをフィーチャーしたこともあり、ミュージック・ビデオ的に楽しめました。特に圧巻なのはエンディング。作中何度も流れるテーマ曲『ワイルド・シング』のレゲエ・バージョンがラスタカラーっぽい配色の映像とあいまって強烈な印象を残します。前述の『ストップ・メイキング・センス』でもトーキング・ヘッズが黒人音楽を取り入れて生み出したグルーブ感を見事に映像化していましたが、そのあたりのクロスオーバーな雰囲気は本作からも伝わってきました。
音楽を含めても良くも悪くも80年代を感じさせる仕上がり感なので、賛否は分かれるかもしれませんが、後味すっきりの秀作だと思います。 |
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