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No.236 |
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タイトル
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チャイナシャドー |
(原題)
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SHADOW OF CHINA |
監督
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柳町光男 |
キャスト
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ジョン・ローン、佐藤浩市、ビビアン・ウー、サミ・デイビス他 |
制作
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1990年/日本 |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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131分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
1997年の中国返還を目前に控え、東洋と西洋の狭間で常に異彩を放ち続ける魔都・香港。この街の魅力に取り付かれた男が二人。一人は香港で権力を極めようとした男ヘンリー・黄(ジョン・ローン)。もう一人は日本人ジャーナリストの北山アキラ(佐藤浩市)。やがて一人の女を介し、運命に導かれるように二人は出会うのだが.....。
<コメント>
『ゴッド・スピード・ユー!BLACK・EMPEROR』(1976)で鮮烈デビューした柳町光男監督の作品。『ラストエンペラー』(1987)の勢いがまだまだ残っていたジョン・ローンを主演に配し、中国返還を間近に控えた1976年の香港を舞台に、東洋と西洋、過去と現代の狭間で翻弄される一人の男の人生を描いた物語。
全編を通して映し出される香港の昼と夜、それぞれの特徴を捉えた映像が美しいです。ネオンに輝く夜の街の描写も華やかだし、時折見られる青や赤等、特定の色味を強くした映像も印象的です。個人的に初めての海外旅行が香港だったのですが、その時のきらびやかな様子を思い出しました。ただ、香港という土地が持つ独特の湿気を帯びた”熱”はちょっと低めな気がします。ストーリー的に香港の上流階級に焦点が当たっているためでしょうか。それでもスケールの感のある風景描写や、活気にあふれる街中のシーンは一見の価値ありです。
物語の主役となるのはかつて紅衛兵・呉昌だったヘンリー・黄とその恋人モンリン。そして香港でそのモンリンと偶然知り合い、彼女に惹かれていく日本人ジャーナリスト、アキラの3人。ヘンリーの野望もそうですが、彼らの三角関係も物語の重要な軸になっています。主役の男性二人を演じるジョン・ローンと佐藤浩市はなかなかの好演。しかし、柳町監督作品として考えると、初期の頃の作品が持っていたような、やはり”熱”が控えめな気がします。終盤の幕切れがいかにもな感じで残念でした。主人公のヘンリー・黄が歩んできた道、そして過去を考えると、彼を演じるジョン・ローンからは、もう少し人間の背負っている業や運命のようなものが伝わってきて欲しかった気がします。日本人アキラに関しても、そういう部分に対する執拗さや執念がもっと見えればよかったかなと。
アキラのヘンリーに対する興味と畏敬の念が、彼のモンリンに対する感情にも影響を及ぼしている気がしますので。そんな視点で見るとアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(1960)をちょっと思い出したりして。
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