No.53
タイトル
ロザリンとライオン
(原題)
ROSELYNE ET LES LIONS
監督
ジャン=ジャック・ベネックス
キャスト
イザベル・パスコー、ジェラール・サンドス、ガブリエル・モネ他 
制作
1989年/仏、伊
ジャンル 恋愛ドラマ
上映時間
119分
評価
★★★
<ストーリー>
17才の学生ティエリー(ジェラール・サンドス)は猛獣の調教学校で助手を努めるロザリン(イザベル・パスコー)に魅かれ自らもそこで働きだす。やがて2人は恋に落ちるが、それを良く思わないオーナーのフラジエ(ガブリエル・モネ)はティエリーを学校から追いだしてしまう。一人前の調教師になっていた彼はロザリンもライオンも諦めきれず、街でロザリンをバイクに乗せ、ライオンを扱わせてくれるところを求めて放浪の旅に出る.......。


<コメント>
『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』(1986)が日本でも大ブレイクした映像作家ジャン=ジャック・ベネックス監督の作品。主人公の女性がライオンの調教師というベネックス監督らしい一風変わった設定の恋愛ドラマです(なおこの調教師夫婦は実在するそうです)。

ライオンの芸と言っても今見るとさほど驚くようなものはありませんが、調教の場面はなかなかしっかり描かれていて、主人公のイザベル・パスコーがスタントマンなしで挑んだこともあって、緊張感を持って楽しめました。また度々ライオンの目線に下りてくるカメラワーク等の演出もうまく臨場感も出ています。
ライオン、トラといった猛獣達も、普段いろいろなところで見慣れているとはいえ、実際に人間と一対一で向き合う場面を見るとやはり息を潜めたくなりますね。
また、ロザリンを演じるイザベル・パスコーが良いです。美人というよりはかわいい顔つきですが、調教の場面では厳しい顔で怒鳴りまくりますし、最後のショーの場面ではきわどいコスチュームもあって、官能的な魅力を披露してくれます。

しかし恋愛ドラマという意味では、命がけの芸を乗り越えて結ばれる愛という割には淡々とした印象でした。スターになっていく女とそれに嫉妬する男という図式は悪くないのですが、その後お互いを理解しあうところがもうちょっと深く描かれていれば良かったかなと思います。主役の2人のキャラクターの描き方も前作『ベティ・ブルー』に一歩譲りますね。
2人を応援する先生やドイツ人のトラの調教師等、脇を固める人たちが良い味を出していて、作品にアクセントをつけています。

ジャン=ジャック・ベネックス監督は映像にこだわりを持っていて、たまにそれが狙いすぎになる部分もあるのですが、今回は猛獣を扱う場面に集約されていて良かったと思います。ただ逆に言うとそういう場面の方が強く印象に残る作品でした。

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