No.170
タイトル
クイックシルバー
(原題)
QUICKSILVER
監督
トム・ドネリー
キャスト
ケビン・ベーコン、ジェイミー・ガーツ、ラリー・フィッシュバーン他
制作
1985年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
107分
評価
★★★
<ストーリー>
若いがやり手の株式仲買人ジャック(ケビン・ベーコン)は、投資の失敗から一日のうちに全財産を失い、路頭に迷うことになる。そんなある日、ショーウィンドーで目にした1台の競争用自転車が彼の生き方を変えた。自慢のひげをそり落とし、スーツをジーンズにはきかえたジャックは、スーパー・バイクを駆るメッセンジャー・ボーイとして再スタートを切るのだった.....。

<コメント>
サントラも大ヒットした出世作『フットルース』(1984)で80年代を席巻し、昨今は『スリーパーズ』(1996)、『インビジブル』(2000)等々の作品で、名悪役の名を欲しいままにしている(笑)ケビン・ベーコン主演の青春映画。本作は『フットルース』の翌年に作られた作品で、挫折からの復活をを夢見て懸命にがんばる青年の姿を友人や家族との人間関係を交えながらスピード感たっぷりに描いています。ケビン・ベーコンもさわやか。この時代の作品の重要なポイントでもある音楽を担当したのは、イギリスきっての職人バンド「ジェネシス」のメンバー、トニー・バンクス。
作品的には競技用自転車が全編にフィーチャーされていますが、この自転車が街を駆け抜けるシーンが結構迫力があっていいんですよ。”自転車”という乗り物は、車に当たれば当然負けるわけで、その辺の脆さ、危うさが緊張感を生んでいます。ありきたりなカーチェイスに見飽きた方も一見の価値ありだと思いますよ。『フットルース』もそうだったけれど、人間が肉体を使っているというリアルさが感じられます。まあ、手に汗を握りながらも、「実際こんな奴がいたら迷惑極まりないな」という気はしますが(笑)。冒頭の自転車と車の競争シーンからいきなり熱いです。この場面でのケビン・ベーコンは”悪い奴”ではないのですが、”嫌な奴”の片鱗を見せているところがまた面白い。なんか、こういう視点でしか彼を見れなくなってきたなー。まあ、それだけ演技も確かということで。でも、ベレー帽をかぶって颯爽と街を走り抜ける姿はなかなかかっこいいですよ。主人公の周りを固める俳優はまだまだ初々しいローレンス・フィッシュバーンを除いてはさほどメジャーな人物はいないのですが、それが新鮮で悪くないです。
自転車を使ったすばらしいストリート・パフォーマンスの部分も含め、見所ははっきりしていますし、いろんな人間模様やトラブルが盛り込まれているとはいえ、そんなに大きな山場があるわけではないのですが、さまざまな人々が一所懸命生きているっていう感じや、街の空気感もしっかり伝わってきていいですね。このストリート感覚は80年代の作品ならでは。主人公と父親、恋人との関係の描き方、悪役のキャラクターの作り方と役割等、所々甘いところも多く、突っ込みどころには事欠かないのですが、音楽を初めとして、80年代テイストバリバリの割には、甘すぎず、辛すぎず、ほろりとさせる友情も伝わってきて、結構好きな作品なんですよ。青春映画、というか挫折と復活の物語という意味ではそれなりにバランスがとれていると思いますよ。決して重厚ではないんですけれどね、やっぱり。

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