No.299
タイトル
レネットとミラベル/四つの冒険
(原題)
QUATRE AVENTURES DE REINETTE ET MIRABELLE
監督
エリック・ロメール
脚本
エリック・ロメール
キャスト
ジョエル・ミケル、ジェシカ・フォルド、マリー・リヴィエール他
制作
1986年/フランス
ジャンル ドラマ
上映時間
95分
評価
★★★★
<ストーリー>
夏の田舎の小道。自転車がパンクして困っているミラベル(ジェシカ・フォルド)に、たまたま近くを通りがかったレネット(ジョエル・ミケル)が声をかける。レネットがパンクを修理したことをきっかけに二人は仲良くなり、一緒に過ごすことに。レネットは夜明け前に一瞬訪れる、「青い時間」を見ようと提案する.....。

<コメント>
フランスのヌーベル・バーグを支えた名匠エリック・ロメールが監督・脚本を手がけた作品。ある夏、田舎の路上で偶然に出会った二人の少女、レネットとミラベルの物語。短編4話の連作形式となっています。
第1話の『青の時間』がまず素晴らしいです。田園風景の中で出会った二人の少女が織り成す不思議な関係。それでも美しい自然に囲まれた情景の中では、二つの純粋な魂が出会ったのはある種の必然を感じさせます。ドキュメンタリーぽい映像が瑞々しくてドキっとしてしまうほど。青と赤の色の対比も美しく、夜明けの”青の時間”も静かで幻想的。二人の行く末に待ち受ける何か神秘的な出来事を予感させます。この作品だけでも十分の出来だと思いますが、その後の3つの作品によって、二人の内面がより深く描かれていきます。これも面白いところ。
2作目の『カフェのボーイ』はコミカルな出来。若者を信じない大人と、それでも世界に正直に生きるレネット。自分に正直でありながら世界とのバランスをとろうとするミラベル。どちらもそれぞれに矛盾しているところもあるのですが、若さが愛らしく描かれているのでとても微笑ましいです。青春ですねえ。それにしてもこのボーイはちょっといただけません。三作目『物乞い、万引き、ペテン師』では二人の性格があまりにも対照的で、お互いに心の内を素直にぶつけ合いますが、四作目の『絵の販売』では、協力して困難に立ち向かうことに。
話が進むにつれ、二人の少女の心のうちを徐々に明かしながら、見ている側にも感情移入させ、いろいろと考えさせるところはさすが。いずれにしても若さとは自分の物差しで生きることであり、日常とは社会の物差しとの違いの発見の連続だということを感じました。大人になってしまった人々には何てことない日々も、彼女たちにとってはまさに冒険なのでしょう。タイトルの場面や音楽がポップなところも、全体を重く見せない効果を出していて個人的には好きです。

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