No.421
タイトル
人間の証明
(原題)
人間の証明
監督
佐藤純彌
脚本
松山善三
キャスト
松田優作、岡田茉莉子他
制作
1977年/日本
ジャンル ドラマ
上映時間
133分
評価
★★★

【 ストーリー 】
東京・赤坂の高層ホテルの、展望レストランのある最上階に到着したエレベーター内で、腹部を刺されたまま乗り込んできた黒人青年ジョニー・ヘイワードが死亡した。死の間際に残された「ストウハ」とは一体何を意味するのか。殺人事件として捜査が進むが...。

【 コメント 】
映画『犬神家の一族』(1976)で大ヒットを飛ばした角川春樹事務所が、満を持して世に送り出した第二弾。原作は森村誠一の同名小説。監督は佐藤純彌。 作品の中で重要な伏線となる詩人・西條八十の詩の一節を引用した「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね」というコピーとともに、これも大ヒットしました。

ただ、テレビのコマーシャルなど、宣伝のインパクトは大きかったものの、内容的には結構批判的な見方が多かった気がします。
個人的にもこの作品をきっかけに森村誠一氏の小説を読み漁った記憶がありますが、やっぱり原作と比較するとどうしても深みにかけたのは事実だと思います。日米間の確執や戦後の混乱など、小説の背景が重要な要素となる物語なのですが、このあたりは映画ではほとんど中途半端に終わってしまっています。さまざまな偶然か重なるところもあまりにも唐突で不自然になってしまっています。
それでも、松田優作を始め、岡田茉莉子、ハナ肇、岩城滉一、三船敏郎、鶴田浩二、伴淳三郎、夏八木勲に長門裕之などなど、とにかくめちゃくちゃ贅沢なキャスティングや、日本映画としては珍しいNYロケなどの要素もあって、映画作品としてはかなりのスケール感を伴った作品であったことは間違いないと思います。原作者・森村誠一を始め、角川春樹や深作欣二らのカメオ出演も面白い。冒頭のハーレムからスタートするシーンも、当時は(私自身が幼かったこともあったと思いますが)とても日本の映画とは思えない迫力と緊張感がありましたし、美しい風景の中、業を背負った人間たちがそれぞれの末路に向かうラストシーンもとても印象的でした。
そして、80年代の角川映画になくてはならないものが主題歌。本作でも俳優としても参加しているジョー山中が歌うテーマソングがとにかく切ない。ハナ肇にしろ、松田優作にしろ、西條八十の詩を口にするシーンはグッときます。ベタだけれど、当時はどこか文学的な質感を感じさせる作品でした。

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