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No.51 |
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タイトル
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プラハ |
(原題)
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PRAGUE |
監督
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イアン・セラー |
キャスト
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アラン・カミング、サンドリーヌ・ボネール、ブルーノ・ガンツ他 |
制作
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1991年/イギリス、フランス |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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89分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
アレクサンダー(アラン・カミング)は家族の映った幻のフィルムを探すためプラハのある資料館にやってきた。彼はそこで資料館の秘書エレナ(サンドリーヌ・ボネール)と恋に落ちるが彼女は館長ヨセフ(ブルーノ・ガンツ)の愛人でもあった。しかしヨセフは彼とエレナの中を知りながら干渉せず、またエレナはアレクサンダーに独占されることを望まない。何とも奇妙な三角関係の中でアレクサンダーのルーツを探す旅が始まる.......。
<コメント>
ハリウッドきっての才女ジェニファー・ジェイソン・リーと共同監督した『アニバーサリーの夜に』(2001)も好評なアラン・カミングの長編デビュー作です。監督はスコットランド出身のイアン・セラー。
石畳の道と迷路のような小路が歴史を感じさせるプラハを舞台に繰り広げられる、不思議な三角関係の物語です。
プラハを舞台にしている作品と聞くと、まず重厚で落ち着いた映像美を期待してしまいますが、この作品は期待通りのイメージでプラハの町並みを映し出してくれます。監督のことはあまりよく知らなかったのですが、撮影はダリウス・コンジイ(『デリカテッセン』(1991)、『セブン』(1995)等)なので納得、ですね。
主人公のアラン・カミングは自らのルーツを求めてさまよう青年を爽やかに演じていて(この人は芸の幅が広いですね)好感が持てますし、2人の男の間で揺れる女性エレナを演じるサンドリーヌ・ボネール(『仕立屋の恋』(1989)等)もちょっと暗めの映像に溶け込んでいて違和感がありません。
ただ主人公がアイデンティティを獲得するまでの過程があっさりしているので、感情移入の度合いとしてはちょっと浅いです(サンドリーヌ・ボネール演じるエレナに亡き母の面影を見たかというとそうでもないようなんですよね)。その前段階でもっと深い喪失があっても良かったのでないかと思います。
またエレナと上司ヨセフの関係の描き方ももの足りない感じで、結果的にブルーノ・ガンツの存在感が思ったより薄くなってしまった気がします。3人のキャスティングは成功しているだけに、この辺りは演出の問題かもしれません。
しかしながら、前述の映像美もあり全体的には幻想的な雰囲気の秀作という感じに仕上がっています。ヨーロッパ好きの方は休日にワインでも飲みながらゆっくりご覧ください。 |
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