No.74
タイトル
キリング・タイム
(原題)
POUSSIERE D'ANGE
監督
エドゥワール・ニエルマン
キャスト
ベルナール・ジロドー、ファニー・バスティアン、ファニー・コタンソン他 
制作
1987年/フランス
ジャンル ドラマ
上映時間
94分
評価
★★★
<ストーリー>
他の男に寝取られた妻のことを想いながら、疲れた生活を送る男シモン(ベルナール・ジロドー)。刑事である彼はある捜査の途中、風変わりな少女ヴィオレッタと出会う。親しげに話しかけてくるが、どこかつかみどころの無いヴィオレッタ。やがて彼は彼女に惹かれ、一緒に過ごす時間が長くなるが、それと同時に奇妙な事件に巻き込まれて行く......。

<コメント>
アラン・ドロンを主演・製作総指揮に迎えた『カサノヴァ最後の恋』(1992)が話題を呼んだエドゥワール・ニエルマン監督の作品。同作品と同じく脚本も手掛けています。妻を他の男に寝取られ人生に疲れ始めたしがない刑事が出会ったある少女との物語です。

ビデオの説明文には”人生に疲れた男が若い女性に出会い惹かれて行く”というようなことが書かれてあり、これを読むと恋愛もののように感じますが、実際はサスペンス/ミステリー風味のドラマです。
脚本は意外と凝っていて、主人公の刑事と妻、少女、そして上司との関係等様々な人間関係が絡み合い、ひとつの物語が出来上がっていきます。冒頭とラストの場面の時間軸をずらしているあたりも工夫が感じられます。ただ、伏線のようなものが少ないからなのか、演出があっさりしているからなのか、もうちょっと幻想的な雰囲気を期待していたのですが、良くも悪くもわかりやすかったです。
妻に裏切られ人生に疲れた刑事、と言いながらも主人公は結構精力的に犯罪捜査に身を費やします。そのおかげで中盤以降は犯罪ものとしてそれなりに楽しめますが、そうするとラストがちょっと物足りないんですよね。空振りに終わってしまった感じ。もっと妻との関係を掘り下げていれば、人生の悲哀のようなものが伝わってきたのではないかと思いますが。冒頭とラストだけ一人称で語られるのですが、ずっとそれで通して、もっと主人公の内面を映し出せば良かったのではないかと思います。主人公の内面は少女との会話によって描かれていますが、それではちょっと物足りなかったです。なので少女の存在自体もアクセントの域を超えていない気がします。こういう存在の女性が出てくる映画って多いと思いますが、人物の背景が多く語られない以上(少なくとも前半は)キャラクターや女優にそれなりの存在感がないと、それに影響を受けたり振り回されたりする主人公にもリアリティがなくなってしまう気がします。主人公役の実力派ベルナール・ジロドーの演技は悪くないですがそれも少しオーバーに見えてしまいました。後、関係ないですが彼の顔色がたまにめちゃくちゃ悪くなるのも気になりました。

ということで部分的には説明不足の場面や少しご都合主義の傾向もありますが、全体的にはまとまっていて良い作品なのではないかと思います。凝った脚本のおかげで観ていて飽きると言うこともありませんし、犯罪絡みのありきたりの刑事ものとは一味違う余韻を楽しめました。少し軽めのミステリーを探している方にはオススメです。尚、この作品は1987年バレンシア映画祭グランプリを受賞しています。

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