No.386
タイトル
フェノミナン
(原題)
PHENOMENON
監督
ジョン・タートルトーブ
脚本
ジェラルド・ディペゴ
キャスト
ジョン・トラヴォルタ、キラ・セジウィック他
制作
1997年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
123分
評価
★★★

【 ストーリー 】
田舎町で平凡に暮らすジョージ(ジョン・トラボルタ)は、37歳の誕生日の夜、不思議な閃光にうたれる。それ以来、触れずに物を動かすことが出来たり、難しい学術書を短時間で理解できたり、彼には不思議な力が宿る。心優しいジョージは、この能力を役に立てたいと考えるが、友人たちは彼を疑い、恐れ、そして遠ざかる.....。

【 コメント 】
『クール・ランニング』(1993)、『ナショナル・トレジャー』(2004)のジョン・タートルトーブ監督作品。突然人並みはずれた才能を授かってしまった男の栄光と苦悩の物語。主役はジョン・トラボルタで、なおかつファンタジー映画とくれば、あまり触手が動かない人もいるかと思いますが、意外にリアリティも保っており、周囲の人物の描き方に温かみがあり、よくまとまっていると思います。

主人公ジョージの優しさをトラボルタが素直に演じていますし、ジョージの突然の才能の開花に戸惑いつつも受け入れようとするフォレスト・ウィテカー、息子のような存在の主人公に対して最初から最後まで味方であり続けるロバート・デュヴァル、それぞれ堅実な演技でしっかりとトラボルタを支えています。で、本作の肝はキラ・セジウィック。中盤まではジョージの優しさに相反して、彼女の気の強さがあまりにも鼻につくのですが、途中からそれが過去の経験による臆病さであることが判明してからは、作品そのものがグッとまとまりを見せ始め、そこから先は多少強引な展開もありつつも、上手くバランスをとりながら進みます。

自分たちと全く違う他者と遭遇したときに、私たちは戸惑い、恐れます。しかし、その時にどういう態度を取るかで人の価値は決まるのではないでしょうか。また、私たちが日々生活する基礎となっている価値観や常識なんてものは、実は大変危ういものではないか、そういう警鐘を鳴らしているとも取れる作品です。ジョージが五感から地震の予知をするエピソードはそれを端的に語っていると思います。ちょっとハリウッドっぽい単純さ、甘さは否めないものの、主人公の台詞の深みと知性、そしてトラボルタのまっすぐな演技によって、突然”他者”となってしまった男の切なさと勇気がちゃんと伝わってくる作品に仕上がっていると思います。
ビルボードのヒットチャートを席巻したエリック・クラプトンの名曲「Change the World」も作品に花を添えています。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送