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No.223 |
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タイトル
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だれも私を愛さない! |
(原題)
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PERSONNE NE M'AIME |
監督
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マリオン・ヴェルノー |
キャスト
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ベルナデット・ラフォン、ビュル・オジエ、ミシェル・ラロック他 |
制作
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1993年/フランス |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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95分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
恋人から追い出されたアニー(ベルナデット・ラフォン)が、妹のフランソワーズ(ビュル・オジェ)を訪ねると、彼女は夫のポールが浮気をしているのではないかと疑っていた。二人はその事実を確かめるために古いキャンピングカーに乗ってポールの出張先のホテルへ。しかし、なぜかそこで出会った女主人と掃除婦の二人と意気投合。4人揃って車で出かけることになるが.....。
<コメント>
シャルロット・ゲンズブール主演の『ラブetc.』(1996)も好評だったマリオン・ヴェルノー監督作品。それぞれの事情を抱えながら、同じキャンピングカーに乗り合わせることになった4人の女たちの騒動を描いた作品。
最初の印象としては、ちょっとドキュメンタリーっぽい感じの映像と雰囲気のある音楽が合っていて個人的には好きな感じでした。しかし、男に追い出された女が、自分の夫の浮気を疑う妹を訪ね、二人でその夫を探して旅に出るというくだりぐらいまではわかるものの、はっきり言ってその後の展開をちゃんと追い続けるのは難しかったです。時間軸もばらばらで、過去のエピソードなのか現在の話なのかもわかりづらい。一生懸命ストーリーを追っていこうとすると中盤あたりで疲れてしまいます。
ということで、4人がそれぞれいろんな事情を抱えている設定ではありますが、あまりストーリーにこだわらず、画面に映し出される登場人物同士の会話を楽しみ、メリハリの利いた映像に身をゆだねるのが正解。そうやってみると、一つ一つの会話はフランス映画らしいユーモアもあり、毒もあり、リズム感が出てきます。こういうシチュエーションの作品にはお約束のダメ男たちを笑うのもいいでしょう。映像的にもシーン単位でみると、シルエットなんかをうまく使っていたり、コラージュっぽかったりして良いですね。
女性の立場から見れば、それぞれに悩みを抱えた姉妹、もしくは母親と娘の確執や絆に焦点が当たるのかもしれませんが(どうでしょうか?)、個人的には、男に対するいろんな不満や不平を連ねながらも、それでもお互いに必要としあう存在であり、世の中は男と女で出来ている、という感じが伝わってきて、楽しくみられました。タイトルに”誰も私を愛してくれない”、とありますが、いろんな意味で愛にあふれた作品だと思います。
主役的な立場にいるのはさすがの演技を見せるベルナデット・ラフォンとビュル・オジエの二人ですが、女主人を演じるミシェル・ラロックがいいですね。凛とした美しさを感じさせますが、結構とぼけた役が似合う女優さんです。パトリス・ルコントの『髪結いの亭主』(1990)で養子の男の子を連れたお客さんを演じていましたが、チョイ役ながら印象的でした。『メルシィ! 人生』(2000)というコメディ作品でのダニエル・オートゥイユの上司役も素敵でしたね。
ちなみにビデオのパッケージの裏には詳細な人間関係が書かれた「人間関係解読チャート」が載っています。ちゃんとストーリーを把握したい方はこれが役に立つかもです。 |
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