No.329
タイトル
パッション・フィッシュ
(原題)
PASSION FISH
監督
ジョン・セイルズ
脚本
ジョン・セイルズ
キャスト
メアリー・マクドネル、アルフレ・ウッダード他
制作
1992年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
135分
評価
★★★
<ストーリー>
事故で下半身不随になってしまった女優メイ(メアリー・マクドネル)。心に傷と秘密を抱え、都会を逃れてきた結果、メイの元で働くことになった看護婦シャンテル(アルフレ・ウッダード)。大きな挫折の中で苦しむ二人の女性が、ルイジアナの深い森と湖の中で忘れかけていたことを思い出す。まるで魔法をかけられたように.....。

<コメント>
『希望の街』(1991)のジョン・セイルズ監督が脚本まで手がけた作品。患者と看護婦という立場でつながった女性二人が、それぞれの境遇と関係を通して理解しあい、お互いに成長していく物語。
交通事故で下半身が麻痺してしまった女優メイ。彼女の元で様々な看護婦が働きますが、彼女のわがままなでシニカルな性格から、誰も長続きしません。そんな折、現れたのがシャンテル。何かいわくありげな彼女は自分を押し付けることなく、しかしちゃんとやるべきことをやり、徐々にメイとの信頼関係を気づいていきます。女優メイを演じるメアリー・マクドネル、シャンテルを演じるアルフレ・ウッダード。一見地味なキャスティングのように思えますが、それぞれのキャラクターに合った女優で、物語が進むほどにリアリティが生まれてきます。メイが辟易する人間関係と対比されているかのように、作中に出てくるルイジアナ州の風景が素晴らしい。
メイと幼なじみの男性との恋愛もサブストーリー的に並行して展開していきますが、これがドロドロした感じではなく、淡い感じで描かれているところにも好感が持てます。もっとも、物語の続きがあるとすればどうなるかはわかりませんが(笑)。
本作では、登場人物の感情の変化や人間関係が丁寧に描かれていて、大きな事件は起こらないので、それを補おうと考えたのか、邦題では原題の後に”奇跡の眠る森”というサブタイトルが加えられています。しかしこのサブタイトルはほとんど意味がない気がしますね。
主役の二人のやり取りは特別な台詞はあまりなく、本当に小さなコミュニケーションの積み重ねで信頼関係が作られていきます。しかし、見終わった後には人と人が理解しあうことの素晴らしさがじんわりと伝わってきます。ジョン・セイルズ監督の作品には、弱い立場にあるものや普段関心を払われないものに対して、きちんと耳を傾ける人物がよく登場します。それは人間が生活を営み、社会を築いていく上で最も重要なことではないでしょうか。

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