No.469
タイトル
1.0 【ワン・ポイント・オー】
(原題)
ONE POINT O
監督
ジェフ・レンフロー&マーテン・トーソン
脚本
ジェフ・レンフロー&マーテン・トーソン
キャスト
ジェレミー・シスト、デボラ・カーラ・アンガー他
制作
2004年/アメリカ、ルーマニア、アイスランド
ジャンル サスペンス
上映時間
92分
評価
★★★

【 ストーリー 】
古いアパートの一室で暮らすコンピューター・プログラマーのサイモン(ジェレミー・シスト)は、ある日、部屋の中に見たこともない箱が置かれているのに気づく。箱を開けてみると中は空っぽ。しかし、箱は何度捨てても、いつのまにかまた部屋の中に置かれている。サイモンは誰かが侵入したと考え警戒するが、やがてアパートの住人が変死する事件が起こり...。

【 コメント 】
映画業界の特殊配給会社の道を独走し続けるアルバトロス社配給作品。”特殊配給会社”って何?ってことなんですが、このコピーは同社のサイトからそのまま引用させていただいたもので、実際、B級作品を確信犯的に配給し続けている面白い会社です。
本作も、いわゆるSFものでよくある、近未来の管理社会を髣髴させるアパートが舞台になっており、ちょっとダークでゴシックっぽい映像や、ウィルス、コード、洗脳などのキーワードが登場、良く言えばスタイリッシュな不条理系サスペンス、悪く言えばどこかで見たような映画の寄せ集め...みたいな趣です。

空っぽの箱が勝手に届けられることから始まる近未来社会の恐怖の物語...という導入は面白いと思うんですが、全体的にそれ以上のインパクトは感じられず。それでも、テクノロジーの進化による情報操作やほとんど洗脳に近い広告というような文脈はなかなかリアリティがありますし、アパートの住人のキャラクターもそれなりにとんがっていて怪しく、ゆえにもっと怖く出来たのではないかと思ってしまいます。
ただ単に何かの事件に巻き込まれただけであれば、近未来に舞台を設定する必然性はありませんし、むしろ”何でもあり”に出来るのがSF作品の面白さでもあると思うんですが、そのあたりがちょっと中途半端でした。いろんな伏線があるものの、結構破綻していますし、ラストシーンも”置き去り系”。きっちり筋の通ったどんでん返しや謎解きを求める方は不満が残るでしょう。
個人的にはこういうテイストの映像は嫌いではありませんし、出演している俳優も、デボラ・カーラ・アンガーにランス・ヘンリクセンと渋いところをキャスティングしていて好感が持てます。いかようにも受け取れるラストも、いろいろ想像して楽しむ人にはうってつけ。映像・内容ともに、デヴィッド・クローネンバーグ、テリー・ギリアム、ヴィンチェンゾ・ナタリなどの世界観が好きな方にはオススメできます。

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