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No.45 |
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タイトル
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オリヴィエ オリヴィエ |
(原題)
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OLIVIER ORIVIER |
監督
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アグニエシュカ・ホランド |
制作
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1992年/フランス |
ジャンル |
ミステリー |
上映時間
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109分 |
評価
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★★★★ |
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<ストーリー>
フランスの田舎町に起こった幼い少年オリヴィエの失踪劇。母親エリザベト(ブリジット・ルアン)は半狂乱になり、警察も懸命の捜査を続けるが少年は結局見つからない。6年後、オリヴィエの失踪事件の担当だった刑事がたまたま捕まえた男娼は”母親を探している”と言う。刑事は彼にオリヴィエの面影を見る。そしてバラバラになった家族のもとにオリヴィエが戻ってくる.........。
<コメント>
フランシス・コッポラ監督と組んだ『秘密の花園』(1993)でハリウッド進出も果たした女性監督アグニエシュカ・ホランドの作品。
平凡な田舎町、牧歌的な風景、そんな中で暮らす幸せな家族に起こる幼い息子の突然の失踪、そして驚愕の結末。このコントラストがなんとも怖い映画でした。脚本も良く出来ていると思いますが、A.ホランド監督の演出がダイナミックでいいです。家族の人間関係の描き方もうまいので、ドラマに深みがあります。テンポも良くて最後まで一気に見てしまいます。
登場人物のキャスティングも合っていますし、それぞれの俳優の演技も見ものです。
母親役のブリジット・ルアンは少しエキセントリックながら失踪した息子を思いつづける母親をリアリティを失わずに演じていますし、オリヴィエ役のグレゴワール・コランは真実と虚偽の間をさまよう少年をうまく演じています。最初見たときはオリヴィエ役としてはうさん臭すぎるのではないかと思いましたが、息子であって息子でない(?)難しい役どころを飄々と演じています。また、オリヴィエと近親相姦的な関係になるマリナ・ゴロヴィーヌはとても美しく、弟を信じきれないながらも受け入れる微妙な演技は何とも言えません。
また、この作品で忘れてはならないのがズビグニエフ・プレイスネルの音楽です。彼の音楽がミステリーとしての緊張感を盛り上げています。彼はこの作品でLA批評家協会賞を受賞しました。
さらに撮影を担当したベルナール・ジツェルマンの牧歌的で美しくそれでいてシャープな映像は一見の価値ありです。
母親は帰ってきた息子が本物かどうかわからない状況でも、息子を信じようと努力し、一度出ていった父親を受け入れ、それを許さない娘を繋ぎ止めて家族を継続させようとします。母親のあまりの愛の強さに感動とある種の恐怖を覚えた作品でした。 |
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