No.321
タイトル
幸福の選択
(原題)
OBJECT OF BEAUTY
監督
マイケル・リンジー=ホッグ
脚本
マイケル・リンジー=ホッグ
キャスト
ジョン・マルコヴィッチ、アンディ・マクドウェル他
制作
1990年/イギリス
ジャンル ドラマ
上映時間
102分
評価
★★
<ストーリー>
マックス(ヴァンサン・カッセル)は美しい婚約者のいるエリート商社マン。出張前の打ち合わせに入ったカフェの電話ボックスでかつての恋人リザ(モニカ・ベルッチ)が誰かに電話をしている声を耳にする。彼女が去った後には1本の鍵が置き忘れてあった。その日から、マックスは残された鍵を手がかりに、リザを求めてパリを彷徨う.....。

<コメント>
一人の男と彼を取り巻く3人の女が繰り広げる複雑なドラマを、カットバックの手法を用いてスタイリッシュに描いた作品。監督は脚本も手がけたジル・ミモーニ。本作以外に長編作品がないのが残念。撮影は『フィフス・エレメント』(1997)、『レオン』(1994)などのティエリー・アルボガスト。
ヴァンサン・カッセル演じる主人公の男・マックスは婚約中で仕事も順調、そんな彼が現実を捨ててまで追いかける女性リザ。やはりその女性は美しくなければリアリティがありません。となればモニカ・ベルッチがキャスティングされたのは納得。
個人的にモニカ・ベルッチのファンなので、彼女が出演している作品は、大体において彼女のシーン以外が記憶に残らないのですが(もちろんおおげさです)、本作は脚本も良く練られているし、優柔不断で若干偏執的なマックスを演じるヴァンサン・カッセルもうまく、ロマーヌ・ボーランジェも熱演、全体的に飽きさせない、良い意味で映画らしい作品に仕上がっています。よくこれだけ複雑な内容をまとめたと思います。
作中、”必然と思える偶然”のような場面が多く、それはそれで緊張感を高めたり、物語を盛り上げたりする役割を担っていると思うのですが、あまり多用されるとあまりにもハリウッドぽいというか、ヒッチコックぽい感じがして、ちょっと残念。ところどころで挟まれるティエリー・アルボガストの幻想的な映像は、現実と妄想の狭間のような面白い効果をあげていると思います。

小さな氷のキューブ(=細かなプロット)を一生懸命積み上げて、やっと出来上がった氷のお城を最後に一撃で叩き割るようなラストシーンは、はかなく、美しいです。マックスが主人公と書きましたが、基本的には途中から現れるロマーヌ・ボーランジェ演じるアリスの切ない恋の物語と言えると思います。好きな男のために一途になるあまり、手段を選ばない女性なのですが、彼女のキュートさがすべてを覆ってしまっています。サスペンス的要素もバランスよく配分された作品。

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