No.437
タイトル
ベティ・サイズモア
(原題)
NURSE BETTY
監督
ニール・ラビュート
脚本
ジョン・リチャーズ他
キャスト
レニー・ゼルウィガー、モーガン・フリーマン他
制作
2000年/アメリカ
ジャンル コメディ
上映時間
112分
評価
★★★★

【 ストーリー 】
カンザス州の田舎町に住むウェイトレス、ベティ・サイズモア(レニー・ゼルウィガー)。夫は車の販売業を営んでいるが、ぐうたらで浮気者。一方ベティは、昼の連続メロドラマ『愛のすべて』の大ファンで、いつか看護婦になって、ドラマの主人公デイヴィッド(グレッグ・キニア)のような素敵な医師と結ばれる日を夢想している。そんなある日、夫が重大な事件に巻き込まれる ...。

【 コメント 】
『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)や『シカゴ』(2002)などで圧倒的な存在感を見せ付けた実力派レニー・ゼルウィガー主演のコメディ。監督はニール・ラビュート。悪役にモーガン・フリーマンとクリス・ロックのコンビ、友達役にクリスピン・グローヴァーなど、個性派俳優が脇を固め、過去に類を見ない作品となっています。

まず、本作をコメディと一言で片付けてしまうには疑問が残ります。序盤、レニー・ゼルウィガー演じるベティの悪夫が殺されるシーンの緊張感と当該シーンはコメディのそれではありません。また、ベティが妄想の中に逃げ込み、さまざまな人々とずれたやり取りを繰り広げる場面も、痛々しさが抜けず、心から笑うには至らないでしょう(おそらくアメリカ人であれば爆笑できるのだと思いますが)。それでも、そのぎりぎりのところでやはり笑わせることが出来るレニー・ゼルウィガーの演技の素晴らしさ、そして、それをサポートするかのように、物語が進むにつれ、妄想を膨らませて行くモーガン・フリーマンのキャラクター作り。この二つのバランスがうまく取れているので、なぜかリアリティがあるんですよね。昼メロの主人公デヴィッド・ジョージ役のグレッグ・キニアのベタさ加減は純粋に笑えます。

これだけ狂気渦巻く脚本をまとめ上げた監督の手腕はなかなかのものだと思います。さすがに、ベティが己の妄想に気づく辺りから多少破綻の兆しが無いわけではありませんが、先の展開を予測できない面白さや、強引ながらもベティの自立・成功の物語としてハッピーエンドに持って行くあたり、やられたっという感じです。コメディとサスペンス要素がうまく盛り込まれたお得な作品。逆にレニーが昼メロにのめり込んだように、レニーの演技に入り込めないとちょっとつらいかもです。
ちなみに本作は同年のカンヌ国際映画祭脚本賞に、レニー・ゼルウィガーはゴールデン・グローブ賞の女優賞(コメディ/ミュージカル)に輝きました。

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