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No.198 |
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タイトル
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ニッキーとジーノ |
(原題)
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DOMINICK AND EUGENE |
監督
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ロバート・M・ヤング |
キャスト
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トム・ハルス、レイ・リオッタ、ジェイミー・リー・カーティス他 |
制作
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1988年/アメリカ |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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108分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
ニッキー(トム・ハルス)は市のゴミ清掃員をしながら、弟のジーノ(レイ・リオッタ)を医大に通わせている。幼い頃、転んで頭を強打したため言動がスムーズでなくなっているニッキーを守るのはジーノの役目。二人は兄弟愛という堅い絆で結ばれていた。そんな時、ジーノに医者になるという夢につながる話が持ち上がるが.....。
<コメント>
ゴミ清掃員の仕事をする知的障害のある兄ニッキーと医師を目指して努力している弟ジーノの物語。監督は『生きるために』(1989)のロバート・M・ヤング。兄を演じるのは『アマデウス』(1984)での演技で世界を魅了したトム・ハルス。弟役はテッド・デミ監督の『ブロウ』(2001)での演技も記憶に新しいレイ・リオッタ。
トム・ハルスは『アマデウス』以降、『バックマン家の人々』(1989) 、『ブラック・レインボウ』(1989) 等に出演し、当時は乗りに乗っていましたね。アンドレイ・コンチャロフスキー監督の『映写技師は見ていた』(1991)も素晴らしかったです。今でこそトム・ハンクスはアメリカを代表する俳優として認知されていますが、80年代は”トム”と言えば”ハルス”でした(笑)。
本作でも彼の演技が作品を引っ張っていきます。純粋ゆえに感受性が強く、そしてまたそれが強烈な個性となっている人物を演じさせると今でもこの人の右に出る者はいないでしょう。もっといろんな作品に出て欲しいですねー。一方、弟を演じるレイ・リオッタも演技の熱では負けていません。近年はサイコっぽい役が多い彼ですが(目が怖いです)、ここでは兄を思いやる優しい弟という普通の役柄。もちろん、裏に凶暴性を感じさせるキャラクターがあって、それにも上手くハマっています。個性もあっていい俳優ですよね。しかし、個人的には『ハンニバル』(2001)での役どころが頭から離れません(笑)。アレは良くも悪くも本当に印象に残るキャラクターでした。ファンの人はあまり好きではないと思いますが。そしてそんな二人の演技合戦に花を添えるのがジェイミー・リー・カーティス。ジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』(1978)以降、”ホラーの女王”と呼ばれた彼女ですが、ここではレイ・リオッタの恋人でとても理解のある優しい女性を演じています。
片方に知的障害がある兄弟の映画というとダスティン・ホフマン&トム・クルーズの『レインマン』(1988)が思い浮かびますが、こういう設定の作品でポイントになるのは、すれ違う兄弟が絆を取り戻す過程ではないかと思います。本作では、兄に障害があるとは言え、ちゃんと仕事を持っていて自立しています。生活に関しては弟が助けているものの、立場的にはほとんど対等です。そこで問われるのは、障害を持った兄とどう暮らすかということよりも、兄弟のつながりをどう捉えるかということ。したがって、その分人間同士の物語として見ごたえがあります。
ぎりぎりの選択を迫られるときにこそ、人間性というものが出てくるし、まさに私たちの人生とは、どういう選択をするかを問われ続けているようなものなのかもしれません。
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