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タイトル
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NARC ナーク |
(原題)
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NARC |
監督
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ジョー・カーナハン |
脚本
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ジョー・カーナハン |
キャスト
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ジェイソン・パトリック、レイ・リオッタ他 |
制作
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2002年/アメリカ |
ジャンル |
サスペンス |
上映時間
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105分 |
評価
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★★★★ |
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【 ストーリー 】
麻薬の潜入捜査官ニック(ジェイソン・パトリック)は、犯人追跡中に撃った弾が誤って妊婦に当たり、胎児を殺してしまう。それから18ヵ月後、停職中のニックに思いがけない現場復帰の話が持ち上がる。2ヶ月間に謎の死をとげた新人刑事マイクの事件の捜査だ。マイクの元相棒とともに捜査を続けるうちに意外な事実が浮かび上がってくる.....。
【 コメント 】
アメリカ・カリフォルニア州出身のジョー・カーナハン監督のクライム・アクション映画。この監督は他に目立った作暦も無く、よく知らないのですが、本作に関しては非常にスピード感があってクオリティの高い内容になっていると思います。一応製作にはトム・クルーズが名を連ねているようですが。いつかまたリメイクを狙っているのかな?
映像的に非常に凝った作りをしていて、まず冒頭の追走シーンがいいですね。カメラをここまで揺らすか、ってぐらいぶれているのですが、そのぶれ具合とカットアップっぽい演出が非常に緊張感を高めています。他にも構図や色味など、いろいろ工夫されていて、中にはちょっとやりすぎっぽいものもあるのですが、基本的に成功していると思います。
そして、主役を演じる二人の演技、存在感ともに素晴らしいです。ジェイソン・パトリックは『スピード2』(1997)や『スリーパーズ』(1996)など、いつも堅実な演技は見せるものの何かインパクトの薄い印象があり、レイ・リオッタは『ハンニバル』(2001)や『サムシング・ワイルド』(1986年)など、とりあえずキレ役の印象がありましたが(まあ、彼の場合は本作でもキレていますが)、ここでは二人とも無骨な演技を見せ、それぞれに背負っているものの重さや、強さと弱さをあわせ持った複雑な感情など、しっかり伝わってきます。アクション映画ですが、心理面に注目してみるとなかなか深い人間ドラマになっています。実は懺悔、贖罪、許しなどの宗教的なテーマが隠されているようにも思えます。これも二人の演技の賜物と言えるのではないでしょうか。
物語が火花のように瞬間的に収束していくラストシーンをどう受け取るかで、作品の印象が変わるかも。個人的にはもう30分延びてもいいので、じっくり見たかったです。しかしながら、最初から最後まで緊張感が途切れない秀作だと思います。ちなみに原題の『NARC』とは”麻薬捜査官”や”麻薬たれ込み屋”などを意味するスラングです。
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