No.160
タイトル
モー・マネー
(原題)
MO' MONEY
監督
ピーター・マクドナルド
キャスト
デーモン・ウェイアンズ、マーロン・ウェイアンズ、ステイシー・ダッシュ他
制作
1992年/アメリカ
ジャンル コメディ
上映時間
102分
評価
★★
<ストーリー>
大都会でしたたかに生きぬく詐欺師のジョニー(デーモン・ウェイアンズ)とシーモア(マーロン・ウェイアンズ)。そんな二人の前にセクシーな美女(ステイシー・ダッシュ)が現れた。一目惚れしたジョニーは早速彼女の勤めるカード会社に就職。しかしそこで彼はとんでもない事件に巻き込まれてしまう.....。

<コメント>
当時”90年代のエディ・マーフィー”と称されたデーモン・ウェイアンズを主役に配し、人気のブラック・ミュージックをバックにアクションと笑いを小気味良くミックスしたコメディ・ドラマ。デーモン・ウェイアンズは脚本、製作総指揮にも参加。監督は『ランボー3/怒りのアフガン』(1988)のピーター・マクドナルド。
1980年代〜90年代前半はハリウッドが音楽業界に擦り寄ったとも言える時代で、豪華ミュージシャン、特に黒人の有名ミュージシャンが競演するサントラを武器にした映画がたくさん作られました。本家エディー・マーフィー主演の『ブーメラン』(1992)、スパイク・リー監督の『ジャングル・フィーバー』(1991/これは作品自体も素晴らしいですが)等々。本作もそんな一連の流れで作られた作品、と言ってしまうと少しかわいそうでしょうか。
作品の肝となるデーモンとマーロンの二人は、実際に兄弟ということもあって息は合っているし、見ていてなかなか面白いですね。デーモンの甘いマスク、弟のとぼけた味。それぞれに特徴があるので、コンビとしてのバランスもいい感じです。ただ、お笑いのネタ的にはちょっと単純でガキっぽい。アクションはそれなりですが、登場人物の人間的背景の描き方が浅く、ドラマとしては貧弱です。社会性を感じさせる部分もありますが特にメッセージが伝わってくるわけではありません。全体的にはコメディなんですが、冒頭からいきなりハードな殺人の場面がある等、作り方はどっちつかずの感じ。少し欲張りすぎたのでしょうか。中途半端にドラマ性を重視せずに、もっとデーモン・ウェイアンズをはじけさせても良かった。エディ・マーフィーの一連の作品と比べても、笑いにも毒にも突き抜け感がないんです。あと気になったのは、とにかく主人公たちがやることは犯罪ばかり。ストーリーの柱となるエピソードも要するにカード詐欺。それが元でどんなトラブルに巻き込まれようと、やっぱり自業自得ということであまり感情移入は出来なかったですね。もっとテイストを割り切っていればその辺も気にならなかったんだと思いますが。結局、一番笑ったのは序盤で主人公が雇った勘違い弁護士の演技でした。これは繰り返し見てしまいました。

まあ、いずれにしても前述の通りサントラのメンバーは豪華そのもの。ジャネット・ジャクソン、ベル・ビヴ・デヴォー、ジョニー・ギル、ラルフ・トレスヴァント、カラー・ミー・バッド、ビッグ・ダディ・ケイン等々。でもって、プロデューサーには80年代を我が物顔で通り抜けたジミー・ジャム&テリー・ルイスとくればもう怖いものなし。さすがに今聞くと多少色褪せた感じはありますが...。この辺りの音楽が好きで、なおかつ単なるドタバタではなくて、多少サスペンスっぽさもまぶした作品が観たい方にはオススメかも。

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