No.103
タイトル
マラケシュ・エクスプレス
(原題)
MARRAKECH EXPRESS
監督
ガブリエーレ・サルヴァトレス
キャスト
ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ、クリスティナ・マルシラック他
制作
1988年/イタリア
ジャンル ドラマ
上映時間
115分
評価
★★
<ストーリー>
昔のサッカー仲間ルディが大麻の不法所持でマラケシュの刑務所にいると知人から知らされたマルコ。彼は10年間顔を合わせていない元サッカー仲間たちを訪ね歩き、一緒にルディを助けに行こうと説得を開始。最初は渋っていた仲間たちもマルコの熱意に押され一人、また一人と仲間に加わっていく。そしてルディを救うため、マラケシュまで車で行くという長い旅が始まった.....。

<コメント>
1991年のアカデミー賞外国映画賞を受賞した『エーゲ海の天使』(1991)で注目されたガブリエーレ・サルヴァトレス監督の作品。10年間顔をあわせることのなかった元サッカー仲間たちが、大麻不法所持で捕まっているひとりの仲間を助けに、モロッコまで旅するロードムービー。
冒頭の「砂漠のラクダを全部集めても友情は買えない」というアラブの諺、燃えるような夕日をバックに進むキャラバン、そしてブルージーなギターが心地よい音楽、これだけで癒される人も多いでしょう。そこから草サッカー(?)、美人バーテンダーのいるバーと日常が交錯してくる導入部分はなかなか見せてくれます。

麻薬所持をテーマにした作品と言うとアラン・パーカー監督の『ミッドナイト・エクスプレス』(1978)やジョナサン・カプラン監督の『ブロークダウン・パレス』(1999)等の自業自得系(?)な作品が多い中、これは珍しくほのぼの系です。まあこの作品を麻薬所持をテーマとした作品と言うのは間違っていると思いますが。全体的なトーンとしてはコメディー・タッチで、登場人物が繰り広げる軽妙な会話のやり取りやちょっと軽めの音楽がうまくかみ合っています。見ていて肩が凝らない1本と言えるでしょう。それでいて青っぽい画面の使い方や大自然を描写した場面の使い方もうまく、舞台も次々と流れていくのでちゃんとロードムービーしています(笑)。しょっちゅう家に電話する家族思いの者、おしゃべりで陽気なビジネスマン等それぞれのキャラクターもうまく描かれていると思います。大麻所持の友達を救うための車中で大麻をやるなんていうのはなかなか子気味よいエピソードですし(で、結局捕まってしまうわけですが)、夜の街で娼婦に喜ぶ無邪気ぶりも無理が無くていい。イタリア人らしいおちゃらけ具合ですね。
ただ、文化的な意味合いとしてのイタリア映画という側面はほとんど無いです。途中、トルコ風呂に入りマッサージを受けながらキリスト教に言及するところ等、社会風刺っぽい台詞が出て来る場面が2、3ありますが、いかんせんどれも弱すぎ。中途半端なまま終わっています。そこまで踏み込みながらなおかつ友情の大切さを描くのはこの監督には無理でしょうし(ファンの方スミマセン)、またあまり興味もないのかもしれません。だから映像的な要素を抜きにして観るとゆるーい青春ドラマになってしまうんです。南米を舞台に変えれば全く同じ映画がハリウッドでも撮れるでしょうね。サッカー選手を謳った曲を終盤のシーンで使うあたり、いかにもイタリア人に受けそうな感じ。意外な展開を見せるラストも、ありきたりの終わりにしたくなかったという気持ちは伝わってくるものの、登場人物の人間関係が描ききれていないのでちょっと強引。
そういう意味では青臭いところもありますし、後半少しドタバタっぽいところもありますが、モロッコの広大な自然の描写と軽めの演出が奏功し、同じように昔の友達を集めて車でどこかに行きたくなるような、さわやかな余韻が残るのも事実。トラックの上に載って砂漠を走るシーンなんかは、暑さと渇きと風が伝わってきて、埃っぽくてつらいだろうけど気持ちよさそうだなー、と思わせるものがあります。一種の清涼剤のような作品というところでしょうか。モロッコ好きの人はもちろん見て損なし。

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