No.265
タイトル
のら猫の日記
(原題)
MANNY & LO
監督
リサ・クルーガー
脚本
リサ・クルーガー
キャスト
スカーレット・ヨハンソン、アレクサ・パラディノ他
制作
1996年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
97分
評価
★★★
<ストーリー>
親に捨てられ別々の里親に出されていた11歳のマニー(スカーレット・ヨハンソン)と16歳のロー(アレクサ・パラディノ)。ローはマニーを誘拐し、 母親の残した車で旅に出た。食物は万引き、 ガソリンはローのボーイフレンドたちから、そして夜はモデルハウスという気ままな生活を続けていた2人だが、ある日、ローは自分が妊娠していることに気付く.....。

<コメント>
『真珠の耳飾りの少女』(2003)、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)等で確実に人気とキャリアを積み重ねている女優、スカーレット・ヨハンソン主演の作品です。二人の孤児の姉妹が旅、窃盗、誘拐、出産等のさまざまな出来事を通して人生を理解していく物語。妹の少女マニーの役を演じるスカーレット・ヨハンソン。まだまだ幼くてかわいいですが、そのまなざしにはしっかりと大人たちや社会を見つめる強いチカラが宿っています。

必要以上に笑いを介さないところや、シンプル極まりない音楽等、一見するとアメリカ映画とは思えない作りです。音楽を手がけたのは孤高のサックス奏者でジム・ジャームッシュ監督の映画でもお馴染みのジョン・ルーリー。さすが。本作は淡々としたドラマではありますが、設定としては二人の孤児が誘拐に妊娠と、描き方によっては派手になるテーマ。そこは音楽がきっちりと抑制を効かせています。マニーを演じるスカーレット・ヨハンソンだけでなく、お姉さん役のアレクサ・パラディノ、彼女たちに誘拐されてしまうメアリー・ケイ・プレイスもそれぞれのキャラクターを好演。キャスティングが違っていたらもっと嫌味な感じになっていたかも。マニーの視点が中心になっていますが、もっと徹底して彼女の心情の変化や成長を描いても良かった気はします。
二人の姉妹は基本的に社会から外れたところに生きているのですが、彼女たちが誘拐する女性も決して真っ当な大人とは言えません。しかし、それ故に二人の行動に理解を示し、自ら彼女たちの生活に関わります。そんな奇妙な共同生活の中から、みんな孤独を抱えていても人間は一人では生きていけない、そういう当たり前の事実の尻尾の部分をやっとつかむことが出来た二人。これからの生活は今まで以上に大変かもしれませんが、それでも一人ではないということを、女であるということを、そして人生そのものをちゃんと受け入れた彼女たちの未来には、小さいかもしれませんが絶望ではなく希望が見えました。 

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