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No.295 |
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タイトル
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ルル・オン・ザ・ブリッジ |
(原題)
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LULU ON THE BRIDGE |
監督
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ポール・オースター |
脚本
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ポール・オースター |
キャスト
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ハーヴェイ・カイテル、ミラ・ソルヴィノ、ウィレム・デフォー他 |
制作
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1998年/アメリカ |
ジャンル |
恋愛ドラマ |
上映時間
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104分 |
評価
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★★★ |
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<ストーリー>
壁のポートレートから微笑む”彼女”に惹かれたジャズ・ミュージシャンのイジー(ハーヴェイ・カイテル)。その”彼女”セリア(ミラ・ソルヴィーノ)も彼の知らないところで、そのサックスの音色に心を動かされていた。ある日二人を出逢わせた、蒼く、美しく光を放つ秘密のもの。そこから二人の運命の旅が始まる.....。
<コメント>
『スモーク』(1995)、『ブルー・イン・ザ・フェイス』(1995)の原作・脚本を手がけた作家のポール・オースターが、初めて単独で監督を務めた(『ブルー・イン・ザ・フェイス』はウェイン・ワンと共同監督)作品。ジャズ・ミュージシャンが経験する、不思議なパワーを持った石をめぐる恋愛物語です。主演はポール・オースター作品には欠かせないハーヴェイ・カイテル。相手役の女性にはミラ・ソルヴィーノがキャスティングされています。
本作にも前述の2作のような、ほのかに心温まるストーリー展開を期待したのですが、良くも悪くも裏切られた感じです。ポール・オースターは大好きなので期待しすぎたのかもしれませんが。ハーヴェイ・カイテルはいつも通りの渋い演技で魅了してくれますが、そもそもミュージシャンとしてのキャラクターが弱く、”音楽(=主人公の存在価値)を奪われた人生”がリアルに伝わってこないところが残念。彼がどんな人物で、どういう人生を送ってきたのか、ということが結構大事な気がするのですが。ウィレム・デフォーも面白いキャラクターで、カイテルとの絡みもなかなかですが、作品的にはここがもっと示唆的というか、深みを感じさせる場面になったはず。
それでも生きがいを奪われた男があらためて人生の素晴らしさに触れるプロセスと、相手役ミラ・ソルヴィーノのかわいらしさで、ファンタジックな恋愛ドラマの小品としてまとまっていると思います。まあいろんな狙いが込められている作品なので、そもそも恋愛ドラマとして受け取るかどうかと言う問題もあるのですが。ポール・オースター作品ということで言葉へのこだわりも感じられますので、台詞をしっかりとかみ締めながら観るのもよいかもしれません。
前述の2作を覆っていた、優しさをベースにした、人と人との微妙なつながりの温度も少なからず感じられたので、どうせならもっと思い切り寓話っぽい仕上がりでも良かったのにと。『スモーク』がまた観たくなりました。 |
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