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No.176 |
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タイトル
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ラッキー・カフェ |
(原題)
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QUEEN OF HEARTS |
監督
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ジョン・アミエル |
キャスト
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ジョセフ・ロング、アニタ・ザガリア、イアン・ホークス他 |
制作
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1988年/イギリス |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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113分 |
評価
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★★ |
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<ストーリー>
”ラッキー・カフェ”はロンドンのイタリア人街にある小さなカフェ。イタリアから渡ってきた一家が、つつましく経営する心地いい店。この小さなカフェでママに裏切られたフィアンセの復讐や4人の子供達の成長等、様々な出来事がおとぎ話のように始まり、語られていく.....。
<コメント>
ロンドンのイタリア人街を舞台にした”ラッキー・カフェ”という名前の喫茶店を営む家族の物語。監督は『エントラップメント』(1999)や『ザ・コア』(2003)等のアクション・SF系でヒットを飛ばしたジョン・アミエル。長編映画は本作がデビュー作です。
リアリティとファンタジーのちょうど良いブレンドが心地よい冒頭シーンがなかなか印象的。カラーなんだけれどセピアっぽい色合いの画像も夢のワンシーンのようでいいですね。さらに子供の視点から語られているので無理がありません。思わずジャコ・ヴァン・ドルマル監督の『トト・ザ・ヒーロー』を思い出してしまいました。こういうの好きなんですよー。『フランケンウィニー』(1984)や『愛は静けさの中に』(1986)を手がけたマイケル・コンヴァーティノの音楽もノスタルジックでマル。主人公の父親がカフェを始めるために購入したエスプレッソ・マシンがどでかくて銀色に光っていてカッコいいです。最近日本でもいろんなところでエスプレッソ・マシンを見かけますが、どれもこれもこじんまりしてスケールが小さい。ああいうのを置いてあるカフェって無いですかねえ。まあ型としてはえらい古いものでしょうし、場所をとるからビジネス的には難しいのかもしれないけれど。
と、序盤までは主人公のかわいらしさも手伝って、結構楽しめました。しかし、それ以降はストーリーやエピソードが途切れ途切れな感じでちょっとわかりづらいんですよね。その点、前述の『トト・ザ・ヒーロー』なんかは、結構難解なストーリーを見事に纏め上げてましたから。それと、男と女、もしくは家族の愛の物語、というよりも、結局はギャンブルが主体になっていて、今ひとつ入り込めないんです。カフェ自体の経営がさほど貧窮しているわけでもなさそうですし、移民ゆえの苦労話なんかがもっと深く描かれていればよかったのですが。冒頭では婚約者をのけ者にしてまで結婚した二人だったんですけどねえ。これではおばあちゃんも救われません(笑)。結果的には、中盤以降のリアリティとファンタジーのバランスが崩れてしまったのがで残念です。エピソードも含めて、もっと寓話っぽくまとまっていても良かった気がします。まあしかし、少しネタばれにはなりますが、ラストはとりあえずハッピー・エンドですし、主人公である子供の視点からの物語ですから、後味はさほど悪くないと思います。
ちなみに本作は1989年モントリオール映画祭第1回最優秀新人監督賞を受賞しました。 |
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