No.279
タイトル
ライフポッド
(原題)
LIFEPOD
監督
ロン・シルバー
脚本
ペン・デンシャム、M・ジェイ・ローチ
キャスト
ロバート・ロジア、ジェシカ・タッグ、スタン・ショウ他
制作
1993年/アメリカ
ジャンル SFドラマ
上映時間
95分
評価
★★
<ストーリー>
2169年のクリスマス・イブ。地球へ帰還中の巨大宇宙船が爆発。9名の人間だけがライフポッド(救命艇)で助かった。だが計器の故障でSOSさえも出せない。食料も水も少ないぎりぎりの極限状況が続く中、宇宙船は故意に爆破されたものであり、生き残った9名の中に犯人がいることが判明する.....。

<コメント>
『怒りの葡萄』のジョン・スタインベックの原作をヒッチコック監督が1943年に『救命艇』として映画化した作品のリメイク。原作は第二次大戦下、魚雷攻撃を受けた船から脱出した生存者たちが一隻の救命艇にたどり着くというシチュエーションでしたが、本作は同じ極限状況でも、舞台は2169年の宇宙。同じ”救命艇”でもこちらは地球に帰還途中に大爆発を起こした宇宙客船から飛び出した緊急避難用のライフポッド。何とか9名が命からがらポッドに乗り込みますが、ポッド自体も爆風で破損、救助信号も出せない状態。しかも食料や飲料水も僅かしかないという状況。そこに、宇宙船爆破がテロかもしれないという疑惑がもちあがり、しかも、ポッド内の全員にその理由がある、という設定です。監督は俳優として活躍しているロン・シルバー。本作にも出演しています。

密閉された空間で一人また一人と殺害されていく筋書きは、ありがちともいえますが、映画的には盛り上がる内容。と思いきや、全員にテロ行為を行う理由があると説明するくだりがいきなり腰砕けでした。いくら極限状態で人間不信に陥っているとは言え、それぞれの理由が強引な感じです。有名な俳優がいないことも裏目になったのか、登場人物たちのキャラクターも今ひとつグッと来ないですね。結果的に全体を通して、期待したほどの緊迫感はありませんでした。レポーターの女性が回し続けるビデオカメラがちゃんと伏線になっている等、なかなかよく出来ている部分もあったのですが。密室内でのSFサスペンスドラマとしていろんな事件を盛り込むには、いかんせんポッドが小さすぎたような気もします。ただ、95分と比較的短い作品なので、中弛みはあるものの最後まで一気に観られました。
ちなみにヒッチコック監督版の方は1944年アカデミー賞の監督賞、原案賞、撮影賞にノミネートされました。本作を見て、このシチュエーションならもっと面白くなったはずなのにー、とちょっと残念に思った方は、ヒッチコック監督の原作をぜひご覧ください。

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