No.459
タイトル
グラン・ブルー
(原題)
LE GRAND BLEU
監督
リュック・ベッソン
脚本
リュック・ベッソン他
キャスト
ロザンナ・アークエット、ジャン=マルク・バール他
制作
1988年/フランス、イタリア
ジャンル ドラマ
上映時間
167分
評価
★★★★★

【 ストーリー 】
ダイバーとして実力のあるエンゾ・モリナリ(ジャン・レノ)は、ある日、沈没船で行方不明になった生命保険会社のダイバー探しの仕事を請ける。見事仕事を完遂し大金を手にしたエンゾは、弟に「あのフランス人を探せ」と命じる。そのフランス人とは、幼い頃一緒に育ち、エンゾが素潜りの達人として唯一認めているジャック・マイヨール(ジャン=マルク・バール)のことだった...。

【 コメント 】
90年代以降、フランスから世界を代表する監督に飛躍したリュック・ベッソン監督の出世作。フランスでは『グラン・ブルー・ジェネラシオン』という言葉を生み出すほどの熱狂的なブームを生み出しました。
”素潜り”という、人間の極限状態に挑む過酷な舞台で男と男の、そして男と女の、さらに男と海の愛を描いた作品。
まず冒頭のモノクロながらスケール感のある映像とエリック・セラの透明な音楽が印象的です。そして、導入部分が終わり場面はカラーとなり、エンゾ役のジャン・レノの登場、海の青さ、ギリシャの白さを表現した映像を前に、一気に作品に引き込まれてしまいます。

まるで兄弟のような絆で結ばれたエンゾと弟分のジャックの間に横たわる友情と確執。そして、ジャックとアメリカ人女性ジョアンナを結びつける愛。登場する3人がそれぞれに魅力的な人物であるところが本作の素晴らしいところ。特にジャン・レノ演じるエンゾは、素潜りで世界記録を打ち立てる豪快さもあれば、スーツでピアノを奏でる繊細さもあり、女のことを知り尽くしていながら母親には頭が上がらないという、数ある映画作品の中でも愛すべき人物の一人です。ジャック演じるジャン=マルク・バールも、まるでイルカの仲間のようですし、ジョアンナ・ベイカーを演じるロザンナ・アークエットにいたってはイルカそのもの。ジャックとエンゾという二人のフリーダイバー(ともに実在の人物でフリーダイビングの記録合戦を繰り広げたジャック・マイヨールとエンゾ・マイオルカがベースとなっています)の物語としても見られますが、やはりジョアンナの一途な愛の行方が切なく心に響きます。

ちなみに本作は、もともとカンヌで公開された『Le Grand Bleu』(英語版)や、日本で公開された『THE BIG BLUE』(海外向け編集版で前述の作品より12分短い)、『Le Grand Bleu/VERSION LONGUE』(本作。168分の長尺版。人気再燃後に日本では『グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版』の邦題で公開)など、さまざまなバージョンがありますので、見比べてみるのも面白いと思います。

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