No.317
タイトル
天使が見た夢
(原題)
LA VIE REVEE DES ANGES
監督
エリック・ゾンカ
脚本
エリック・ゾンカ、ロジェ・ボーボ
キャスト
エロディ・ブシェーズ、ナターシャ・レニエ他
制作
1998年/フランス
ジャンル ドラマ
上映時間
113分
評価
★★★★
<ストーリー>
自由で屈託の無いイザ(エロディ・ブシェーズ)。いつも不機嫌で心を閉ざすマリー(ロジェ・ボーボ)。ふたりは出会い、イザはマリーのアパートに転がり込むことに。お互いの心の隙間をうめるかのように、はしゃぎ、笑い、気ままな生活を送っていく。ある日、問題を起こしたマリーはとある男に助けられ恋に落ちるが.....。

<コメント>
1998年のカンヌ国際映画祭で、主演女優賞をダブル受賞した作品。監督はエリック・ゾンカ。デビュー作となる前作『さよならS』(1998)もなかなかに衝撃的なドラマでしたが、本作も、前作同様音楽や無駄なせりふを極力使わず、ドキュメンタリーさながらに若い女性2人の感情の移り変わりを描いています。アニエス・ゴダールの映像、いいですねえ。
登場するのはふとしたことで知り合った、孤独を抱える女性二人。自由奔放なイザと反抗的なマリー。あまりにも対照的な二人は最初こそうまく共同生活をこなすものの、マリーの恋愛を機に状況は一変。歯車が狂い始めます。
イザを演じるエロディ・ブシェーズ(しかし短くしましたね...)が非常にキュートで、序盤こそそのあまりの奔放さ、落ち着きの無さが見ていて痛々しいですが(後、フランス映画の登場人物に多いですがタバコ吸いすぎ...笑)、友人マリーの出現や寝たきりの少女との対面など、人とのふれあいによって彼女の優しさが見えてくると途端にいとおしい存在になってきます。そうなるとだぼだぼのファッションやボーイッシュな髪型、眉のカット、すべてがかわいらしく見えてくるから不思議です。
二人の対照的な生き方は、さまざまな見方が出来ると思います。生きることに積極的であるか否か。人生を修正できるか否か。男や恋愛の存在価値。人間としてのプライドの置き場所、などなど。基本的には恋愛が中心となっているので、見ている方も感情移入がしやすい作品かもしれません。イザとマリーの対比のみならず、常にイエス・ノーをハッキリさせながら生きる女性達と、結論がアバウトなまま流れる男たちも対比させられている気がします。
前作でもそうでしたが、シンプルに極限状態を描きつつも、かすかな希望を残す終わり方は個人的に好感が持てました。しっかりと現実を見つめると言うことは時に恐ろしいほど残酷ですが、時に私たちを正しい方向に導いてくれます。イザのこれからを見てみたい、と思いました。

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