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No.342 |
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タイトル
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ケス |
(原題)
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KES |
監督
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ケン・ローチ |
脚本
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ケン・ローチ他 |
キャスト
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デビッド・ブラッドレイ、コリン・ウェランド他 |
制作
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1969年/イギリス |
ジャンル |
ドラマ |
上映時間
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112分 |
評価
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★★★★★ |
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<ストーリー>
15才の少年ビリー(デビッド・ブラッドレイ)は、母親と炭坑で働く粗暴な兄との3人暮らし。周囲にうまくなじめず、学校でも孤立した存在のビリーは問題ばかり起こしている。そんなある日、森でハヤブサを見つけた彼は、餌付けをして調教しようと試みる。ビリーと”ケス”と名づけられたハヤブサはお互いに心を許しあい、幸せな日々が続くが.....。
<コメント>
日本でもTVシリーズ(「少年と鷹」)として放映されたことのあるケン・ローチ監督の初期の傑作(日本での劇場公開は1996年)。UKロックファンには元スミスのモリッシーが最も愛した映画、といった方がわかりやすいですよね。私も最初に見た理由はそれでした。オアシスのノエルも好きだそうですが...。
本作は1969年に製作されましたが、いつ見ても色あせない普遍性を持った作品だと思います。行き場のない閉塞感とそれを乗り越える人間の強さ。イギリスの作品らしい暗さがベースにあるからこそ、時折垣間見える希望の光、人々の優しさがとても温かく感じられます。ハヤブサ”ケス”を尊敬し、ケスに想いを込めて解き放つ少年ビリー。貧困の生活の中でやせ細った彼の姿は痛々しいですが、心を通わせる対象が見つかったとき、彼の心はどんな鋼よりも硬く、強くなりました。調教のプロセスをクラスのみんなの前で語るシーン、彼を理解してくれる先生と交流する場面、ぐっと心をわしづかみにされます。
余談ですが、この作品を見るといつも不思議に思うのが、序盤で母親と兄がお互いを罵り合い、喧嘩した結果同じ店でたむろしているところ。日本では母親と息子が同じバーで飲んだくれてるなんてのはあまり想像がつきませんが、やはり家族関係より所属する階級によって行き先が限定されているということなんでしょうか。
<以下、ネタばれ注意!>
それにしても、イギリスの作品、です。NYのインディーズ映画なら、最後はビリーがケスを探してさまよう所で終わるんじゃないかと思いますが(ケスが死んだかどうかはわからない、みたいな)、本作では、ビリーがケスをゴミ箱の中から取り出して、それを振り回して兄と戦う場面までしっかり描写。何もそこまで、と思いますが、もちろんそれがお国柄だし、そして紛れもない現実ということなんでしょう。 |
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