No.205
タイトル
INSIDE インサイド
(原題)
INSIDE
監督
アーサー・ペン
キャスト
エリック・ストルツ、ルイス・ゴセット・Jr、ナイジェル・ホーソーン他
制作
1996年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
94分
評価
★★★
<ストーリー>
理想に燃える若き大学教授マーティー(エリック・ストルツ)は政治犯として拘留されている。政治に対する反逆とテロ行為の罪に問われる彼は、いかなる拷問にも屈せず、自らの潔白を唱え続ける。しかし、尋問官クルーガー大佐(ナイジェル・ホーソーン)は彼の口を割らせようと、あらゆる卑劣な手段を駆使してくる.....。

<コメント>
『奇跡の人』(1962)、『俺たちに明日はない』(1967)等の名作を世に送り出してきた巨匠アーサー・ペン監督の作品。アパルトヘイト時代に拘留した政治犯たちを非人道的な方法で虐待・尋問していた男が、アパルトヘイト廃止にともない、今度は逆に自らが尋問される側になるというストーリー。
物語のほとんどが刑務所の中で展開される社会派ドラマです。時間軸も工夫が凝らされていて、過去と現在が交差する形で描かれています。アパルトヘイトを描いた作品というとリチャード・アッテンポロー監督、ケビン・クライン、デンゼル・ワシントン主演の『遠い夜明け』(1987)あたりを思い出しますが、スケール感では多少及ばないものの、当時行われていた人種差別〜虐待の実態をリアルに描いているという意味では本作も負けていません。
白人でありながら反アパルトヘイトの立場を取り、またそれがゆえに苦悩する主人公をエリック・ストルツが熱演しています。こういうシチュエーションの役柄は基本的に白状するかしないか、という二者択一を迫られる立場にあり、微妙な心情の揺れや変化の表現が求められる分、演じる側としては難しいのではないかと思うのですが、やはりこの人は上手いですね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の主演の座をマイケル・J・フォックスに奪われたり(マイケルが悪いわけではありませんが)、さらに雰囲気が彼に似ていたりして(ちなみに二人は同い年です)、あまり目立つ俳優ではありませんが、個人的には好きです。元刑務所長のナイジェル・ホーソーンを追い詰める元政治犯を演じるルイス・ゴセット・Jrもすごい。主人公のために父の魂を呼ぶべく祈る場面は鬼気迫るものがあります。圧倒的。
アパルトヘイトがいかに悪法だったかということもそうですが、さらに怖いのは刑務所長による情報操作。私たちの人生というものがいかに情報というものに頼っているか、そしてその情報というものがいかにあやふやなものであるか思い知らされます。これは何も映画の中の話、刑務所の中の話だけでなく、私たちの生活にもそのまま置き換えることが出来るのではないでしょうか。本当に正しいものとは?私たちが日頃見聞きしている事はすべて信じていい?ルイス・ゴセット・Jr演じる役人が最後の切り札として持ち出すセリフがいかにも示唆的です。ラストシーンは個人的にはなんとなく納得がいかないのですが、それでもいろんな意味付けができる終わり方ではあると思います。人間が持つ憎しみの感情、そしてそこから発生する悪しき行動の連鎖。暴力からは何も生まれない。INSIDE(=内側)に生き、そして人生を終えた主人公の生き様があまりにも切ない。

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