No.260
タイトル
ハンター
(原題)
THE HUNTER
監督
バズ・キューリック
脚本
ピーター・ハイアムズ、テッド・レートン
キャスト
スティーヴ・マックィーン、イーライ・ウォラック、ベン・ジョンソン他
制作
1980年/アメリカ
ジャンル アクション
上映時間
98分
評価
★★★
<ストーリー>
保釈中に失踪した逃亡者を非情なまでに追いかけ、何人も捕まえてきた賞金稼ぎのソーソン(スティーヴ・マックィーン)。たとえ保安官の甥であろうとも容赦はしない。しかし、いつもは追いかける側の彼を執拗なまでに、つけ狙う復讐心に燃える男がいた。その男の魔の手は、恋人ドティー(キャサリン・ハロルド)にまで伸びてきた.....。

<コメント>
永遠の不良少年、スティーヴ・マックィーンの遺作として紹介されることの多い本作ですが、実際それを抜きにしては見るのは難しいかもしれません。彼のことを知っているかどうか、ファンであるかどうかによって観た後の感想は違ってくるでしょう。個人的にはもちろん大ファンなので、いろんな意味で感慨深いのですが...。

ラルフ・ソーソンという実在した賞金稼ぎの話がベースになっていて、脚本には『カプリコン・1』(1977)、『2010年』(1984)等の監督として評価の高いピーター・ハイアムズの名前もあるものの、全体的には散漫な印象はぬぐえません。主人公を狙う謎の男が早い時期からスクリーンに登場しますが、彼を狙う動機があいまいだし、執念深さから来る怖さも今ひとつ。前半の賞金稼ぎとしての仕事の場面も、以外にソフトで(相手の犯罪者がどこか憎めなくて面白いのですが)盛り上がりに欠けます。後、気のせいかもしれませんが、終始主人公に覇気が感じられないところも残念(撮影当時マックィーンはすでに癌に侵されていたそうで、そういう状況も影響したのかもしれません)。それでも終盤のクライマックスとなる列車での追走シーン(ここのパンダグラフを使ったアクション・シーンが”売り”ですね)や、賞金稼ぎとして不安定な人生を送ってきた主人公が安息を得る人間ドラマとしてのプロセス等、見所はあります。
正義も悪もものすごい能力を持ったファンタジーものが多い中、突出した怪物が出てこない分、リアリティを感じる人はいるかも。マックィーン・ファンにとっては、A級ライセンスを持つ彼が運転が下手な役柄で車をぶつけまくるシーン、ビルの谷間を飛び越えるのに必死の場面等、ほのぼのとした思い出として記憶されることでしょう。

<以下、ネタばれ注意!>ファンであってもなくても忘れられないのがラストシーンで見せるマックィーンの笑顔。賞金稼ぎの一生を描いた作品をこんなにも幸せなショットで締めくくるのは、やはり彼自身からのメッセージのようなものを感じずにはいられません。

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