No.193
タイトル
グッドマン・イン・アフリカ
(原題)
A GOOD MAN IN AFRICA
監督
ブルース・ベレスフォード
キャスト
コリン・フリールズ、ショーン・コネリー、ジョン・リスゴー他
制作
1994年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
95分
評価
★★
<ストーリー>
独立して間もないアフリカの小国に駐在する若き外交官リーフィー(コリン・フリールズ)。出世コースから外れた我が身を嘆き、酒と女に溺れる彼の元に、本国から上司ファンショー(ジョン・リスゴー)がやってきた。目的はこの国の油田の利権。出世のチャンス到来と張り切るリーフィーの前に医師マレーが現れる.....。

<コメント>
モーガン・フリーマン主演『ドライビング Miss デイジー』(1989) でアカデミー賞4部門を制したブルース・ベレスフォード監督の作品。とあるアフリカの国から脱出し、出世を目論む英国外交官の苦難の物語をブラック・コメディを交えながら描いています。
彼を取り巻く上司や地元の政治家等、欲にどっぷりつかった人間たちの目を覚まさせたのは一人の清廉な白人医師。その医師役を渋さを増したショーン・コネリーが演じるとなると、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989) や『小説家を見つけたら』(2000)等のショーン・コネリーを想像した人も少なくないでしょう。当時はあたかも彼が主人公であるかのような宣伝が行われたとか。まあ気持ちはわからないでもないですが、残念ながら彼の出番は思ったより少ないです。もちろん、彼自身のキャラクターはカッコいいし、存在感のある演技は確かで、途中ウィットを感じさせる会話も用意されているのですが、いかんせん最後の方の扱いがひどい。医師役がショーン・コネリーで無かったら間違いなく星の数はひとつでした。
主人公役のコリン・フリールズは、それなりに笑える部分をそつなくこなしています。ジョン・リスゴーも地味ながら相変わらずのうまい脇役でキャスティングそのものは悪くないです。しかしながら、笑いはブラック・ジョークというほどのレベルには達しておらず、ほとんどドタバタ。主人公が徐々にアフリカ的な信仰を肯定し、キリスト教を批判してみせるところなんか、結構どぎつくていいんですけどね。
ということで、ラストの雨のシーンを見ると、主人公の成長の物語だったということ(というか、そういう作品にしたかったんだろうなという意図)がわかるのですが、カタルシスはほとんど得られません。そこから続くエンディングの曲でやっとアフリカという土地の持つ力、生命力がほんの少しだけ伝わってきますが、まあこの終わり方に納得する人はほとんどいないでしょう。物語の的が絞れていないので、結局何が言いたいのかわからないまま終わってしまいます。上司の娘や現地妻とのエピソードも中途半端ですし、肝心の地元大統領候補者との確執も置き去りにされたまま終わってしまいます。何とももったいない感じ。ただ、少しフォローをしておくと、これはあくまでも英国人の目を通して描かれた(『ドライビング Miss デイジー』もそうだけど)物語と考えると、ダニエル・デイ・ルイスが主演した『イングリッシュマン in ニューヨーク』(1988)と同じく、異国の地で外国人が翻弄される様を自虐的かつ逆説的に楽しむためのカオスは多少見え隠れしています。

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