No.478
タイトル
フル・モンティ
(原題)
THE FULL MONTY
監督
ピーター・カッタネオ
脚本
サイモン・ボーフォイ
キャスト
ロバート・カーライル、トム・ウィルキンソン他
制作
1997年/イギリス
ジャンル ドラマ
上映時間
93分
評価
★★★★

【 ストーリー 】
イギリス北部の街シェフィールド。鉄鋼業で栄えたこの街も、今は誰もが失業中。ガズ(ロバート・カーライル)も仕事が無く、分かれた女房との間の息子の共同親権を得るための養育費が払えない。そんな折、男性ストリップ・グループの巡業に潜り込んだガズは、女たちの熱気と歓声に驚く。そして仲間を集めてストリップ・ショーを開くことを思いつく...。

【 コメント 】
不況の波に飲み込まれた冴えない男たちが、一発逆転をかけて挑む真っ裸のストリップ・ショーに挑む物語。監督はイングランド出身のピーター・カッタネオ。主役のガズを演じるのは、本作の前に出演したダニー・ボイル監督の『トレインスポッティング』(1996)で圧倒的な存在感を見せ、ノリに乗っていたロバート・カーライル。

本作の設定と同じように、素人の女性たちが自らモデルになってヌードを披露する実話を映画化した『カレンダー・ガールズ』(2003)という作品があるのですが(女性たちがヌード・カレンダーのモデルになります)、こちらの女性たちが持っていた明るさやたくましさと比べると、本作に登場する6名の男たちはみな失業中で、親子の問題、夫婦の問題などなど、いろんなトラブルを抱えたダメ男たちです。ストリップをやると決めてからもいろんな問題が起こりますし、実際にショーの段階になっても怖気づくメンバーが出る始末。見ているこっちがあせってしまいます。しかしながら、彼らが抱える問題は個人的なことのみならず、地域社会や雇用、同性愛、人種問題など、社会的な要素をはらんでいること、さらに、その中でもプライドを捨てずに懸命に生きようとしている姿勢などから、どこか愛すべき一面を備えています。ロバート・カーライルを始めそれぞれの俳優も個性的で楽しませてくれます。

決して笑い飛ばせることではないし、解決策も簡単には見つからない。それでも、希望に向かって突き進む姿には共感をおぼえざるを得ません。彼らがショーをやりきった後には、すべてが解決しているとは思えませんが、それでも彼らの属している社会に対して大きな一矢を報いたことに間違いはありません。そしてそこからすべてが始まるのでしょう。

ちなみに本作は英国アカデミー賞やヨーロッパ映画賞などにおいて、さまざまな部門賞を受賞、さらに2000年にはブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞にもノミネートされるという栄誉を受けました。

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