No.402
タイトル
フル・フロンタル
(原題)
FULL FRONTAL
監督
スティーヴン・ソダーバーグ
脚本
コールマン・ハフ
キャスト
ジュリア・ロバーツ、デヴィッド・ドゥカヴニー他
制作
2003年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
101分
評価
★★

【 ストーリー 】
とある金曜日。人事部長のリー(キャサリン・キーナー)は、脚本家兼雑誌ライターの夫カール(デイヴィッド・ハイド・ピアース)に離婚を告げる置き手紙を書く。カールはそれを知らずに出勤。映画スターのカルヴィン(ブレア・アンダーウッド)は、人気女優のフランチェスカ(ジュリア・ロバーツ)と映画を撮影中。劇作家のアーサー(エンリコ・コラントーニ)は、舞台の初日に、ヒトラー役の俳優(ニッキー・カット)とトラブル。そんな人々が大物映画プロデューサーのガス(デイヴィッド・ドゥカヴニー)の誕生パーティーに集まってくる.....。

<コメント>
『トラフィック』(2000)、『オーシャンズ11』(2001)など、インディーズ・スピリットを持ちながらもハリウッドを代表する監督として君臨しているスティーヴン・ソダーバーグ監督作品。
ハリウッドの大物映画プロデューサーの誕生パーティに呼ばれた8人の男女のそれぞれの行動や内面を実験的映像で描き出す群像劇。
出演は、テレビ・シリーズ『X−ファイル』でのFBI捜査官役が有名なデヴィッド・ドゥカヴニー、同じくソダーバーグ監督の『エリン・ブロコビッチ』(2000)に出演したジュリア・ロバーツ(彼女は同作でアカデミー賞主演女優賞を受賞)など。『オーシャンズ11』のブラッド・ピットがカメオ出演しています。ブラッド・ピットはエンドロールの後にも登場しますのでお見逃しなく。

登場する人物によってハンディカムのような映像が使われるという実験的な手法が目を引きます。二人の人間のパーソナルな部分を描写していながら撮影する側の視点もはっきりと入ってくるなど、映像のみならず、監督の視点も揺れ動きます。
男女8人が繰り広げるさまざまなエピソードが入り乱れ、一応、”ガス”なる人物の誕生パーティに招かれているという括りはありますが、ストーリーが幾重にも重なり合うというよりは、登場人物の内面に焦点が当てられています。そこに共通しているのは現代人が抱えるストレス。そしてハリウッドの内幕。
リストラを宣告する人、リストラされる人、取材をする人、される人。お互いの立場があり、それぞれの役割を果たしていながら、歯車がかみ合わない感覚。心の奥に潜む気持ちと行動の乖離。コミュニケーションのずれが生み出す現代のリズム。そういう居心地の悪さを表現するのにソダーバーグ監督得意の実験的映像が功を奏しているとは言いがたい気がしますが、それぞれの登場人物が人と人との関係を通してある種癒されていく結末に収束していく感覚は意外に爽快。難解ながら最後はうまくまとめたという感じです。

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