No.379
タイトル
フォーリング・ダウン
(原題)
FALLING DOWN
監督
ジョエル・シューマカー
脚本
エブ・ロー・スミス
キャスト
マイケル・ダグラス、ロバート・デュバル他
制作
1993年/アメリカ
ジャンル サスペンス
上映時間
118分
評価
★★★

【 ストーリー 】
1991年6月12日。ロサンゼルスでは、午前中からこの夏一番の猛暑を記録。そんな時、ハイウェイでは工事による大渋滞が続いていた。中でも一人極度にいらつく男がいた。<D−フェンス>と呼ばれる彼は、突然、車を乗り捨て狂ったように歩き始めた。彼は行く先々で次々と事件を巻き起こし、その行動はさらに過激になっていく.....。

【 コメント 】
サスペンスに欠かせない存在となったマイケル・ダグラスと、いぶし銀のベテラン、ロバート・デュバルが主演のサスペンス・ドラマ。監督は『セント・エルモス・ファイアー』(1985)や『9デイズ』(2002)のジョエル・シューマカー。
車で大渋滞に巻き込まれ、ブチ切れてしまった男が徐々に破壊力のある武器を手にしながら落ちてゆく泥沼。現代アメリカの病んだ歯車からこぼれ落ちた男の行く末を描いた物語。

一見、普通のサラリーマンが、さまざまな要因から不満が募り怒りを爆発させ、いろんな事件を巻き起こす物語、と捉えられるかもしれませんが、実態はかなり違うと思います。まず、マイケル・ダグラス演じる主人公の”D−フェンス”が、”普通の人”ではありません。些細なトラブルをきっかけにキレたように見えますが、最後まで見るとそもそも狂っていたことがわかると思います。彼が接触する人々におかしな人が次々と登場するために、あたかも巻き込まれているように見えますが、どう考えても正常じゃない。途中、アメリカが抱える不安や問題を想起させる映像が映し出されるたびに、彼の狂気が生み出されたベースが垣間見えるような気がしますし、それは監督の狙いでもあったのかもしれませんが、残念ながら狂気が生み出されるプロセスではなく結果が描かれているだけではないかと思います。ゆえにD−フェンスへの感情移入はできない。それでもハンバーガーショップの店員が憎たらしく描かれているあたりは爽快ですが。

アメリカ現代社会の狂気が生み出した”おかしな”人間の暴走劇+その現代社会をリタイアする良心的な人間(=ロバート・デュバル)が対決する社会派っぽい娯楽ドラマとしてみれば、二人の迫真の演技と監督の粘着質な演出で”アリ”なのかもしれません。冒頭の渋滞の場面からマイケル・ダグラスの感情を内に抑えこんだ演技がいいです。意外に珍しい役どころ。最後は単なるシリアル・キラーですが...。

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