No.485
タイトル
ぼくの好きな先生
(原題)
ETRE ET AVOIR
監督
ニコラ・フィリベール
脚本
キャスト
制作
2002年/フランス
ジャンル ドキュメンタリー
上映時間
104分
評価
★★★★

【 ストーリー 】
フランス中部のオーベルニュ地方。小さな村の小学校に通っているのは全学年をあわせてたったの13人。その生徒たちを一人で教えているのがジョルジュ・ロペス先生。この学校で20年にわたって子供たちとふれあい、教鞭を執ってきた先生も、あと1年半で退職することになっていた...。

【 コメント 】
冒頭を飾る静かに雪の舞う風景。続いて映し出される教室で学ぶ子供たちの無邪気な姿。映画は自然の持つ凛とした強さと子供たちの微笑ましい姿とを対比させるような場面から始まります。
この、季節の移り変わりを映し出す映像は折に触れ挿入されます。この世に存在する生命として、与えられた役割をただ淡々とこなしているかのように見える自然の木々や雲。これらの映像が時間の経過を感じさせるとともに、日々、友達と関わり、先生と関わり、少しずつですが成長している子供たちの生き生きとした姿を浮かび上がらせているようです。また、1年という時間の中で、さまざまに変化を遂げ、学校を、そしてそこで関わりあう人々を見守ってくれているかのようにも見えます。

子供たちに文字を書かせて、それをお互いに批評(というと大げさですが)させあう授業や、子供たち同士でけんかした時にお互いを向き合わせて解決させたり、具体的な指導方法も文化の違いが見て取れて興味深いのですが、本国フランスでも大ヒットしたということで、ロペス先生の子供たちとの関わり方自体が、フランスでもあまり見られない姿勢なのかもしれません。

教室の中ではそれなりにいろんな出来事が起こるわけですが、どれも私たち大人から見れば些細なことで、映画としての起伏には乏しく、退屈と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、ロペス先生が一対一で子供と話すシーンは、どれも先生の優しさと愛情にあふれていて、感動的です。きっと子供たちは幸せでしょうし、そんな子供たちに囲まれて暮らした生活は先生にとっても宝物のような日々だったに違いありません。時代がどのように変わろうとも季節は巡り、子供たちは成長します。何気ない日常を静かに捉え続けたドキュメンタリーですが、生きると言うことは成長するということ、人間が自然という大きな環の中にいること、そういったメッセージを詩情豊かに感じさせてくれる作品です。

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