No.423
タイトル
エレファント
(原題)
ELEPHANT
監督
ガス・ヴァン・サント
脚本
ガス・ヴァン・サント
キャスト
ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト他
制作
2003年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
81分
評価
★★★★★

【 ストーリー 】
オレゴン州ポートランド郊外にある、ごくありふれた高校。そこにはアメフトの練習に熱中する少年、家族との関係に悩む少年、カメラの撮影に熱中する少年、噂話が大好きな少女の3人組など、ごく普通の少年少女がいつも通り学校生活を送っていた。そんな、いつもと同じと思われていた日常が、実はある事件に向けて収束していた。...。

【 コメント 】
『ドラッグストア・カウボーイ』(1989)や『マイ・プライベート・アイダホ』(1997)等、主として少年たちを主人公にした実験的で挑戦的な映像作品をリリースしてきたガス・ヴァン・サント監督作品。1999年に米コロラド州コロンバイン高校で起きた銃乱射事件をモチーフに、舞台となった高校に通う学生たちの日常を淡々と描いています。

少年たちが心の奥で本当に何を考えているのかわからないし、犯人の二人がどのような闇を心の奥に持っていたのかもわかりません。あの時、何が被害者と加害者を分けたのかもわかりません。同じ構内にいても被害にあった人もいればあわなかった人もいます。その間に何が横たわっていたのかわかりません。おそらく、そういうものなのだろう、としか言えない。
実際の犯人も実はこの程度の温度しかなかったのかもしれません。驚くほどの憎悪や不安にさいなまれていたのではなく、彼らにも理解できない何かにつきうごかされただけかもしれません。

この作品は、ガス・ヴァン・サントによるガス・ヴァン・サントのための映画ではないかと思います。彼はこの事件をきっかけに危うい感情に包まれる時期の少年・少女たちを、そしてこの事件そのものを、出来る限り足音を立てずに追うことで理解しようと試みたのではないでしょうか。
少年たちを出来る限りみずみずしく描きながらも、最後はそれで終わらせたくない。そんな監督の心情が伝わってくるようなラストです。

本作の前に作られた実験的作品『ジェリー』での試みが恐ろしいほど研ぎ澄まされて結実してしまいました。悪の理由や原因を求め、探りながらもそれらがすべて無為であることを知らされるとき、生きるうえでの本当の不安が私たちを襲います。
本作は2003年カンヌ国際映画祭でパルム・ドールと監督賞のW受賞という史上初の快挙を果たしましたが、それに値する内容かどうかはわかりません。それでも私たちが目をそむけることの出来ない作品であることは間違いありません。

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