No.158
タイトル
イーストウィックの魔女たち
(原題)
THE WITCHES OF EASTWICK
監督
ジョージ・ミラー
キャスト
シェール、ミシェル・ファイファー、スーザン・サランドン他
制作
1987年/アメリカ
ジャンル コメディ
上映時間
119分
評価
★★★
<ストーリー>
アメリカ東部の田舎イーストウィックに暮らす女3人組。3人ともそれぞれの悩みを抱え、刺激もなく平凡で退屈な生活に飽き飽きする日々。そんなある日、彼女達の欲望を満たす理想の男デイル(ジャック・ニコルソン)が街に現れる。彼は3人をそれぞれ誘惑し、しばらくは優雅で楽しい生活が続くのだが.....。

<コメント>
シェール、スーザン・サランドン、ミシェル・ファイファーというハリウッドを代表する3大女優を配し、SFXによる効果を絡めた大人のファンタジー。監督は『マッド・マックス』(1979)シリーズでオーストラリアから世界中に衝撃を巻き起こしたマーカス・ミラー。原作は意外にも映画化されている作品は少ない、現代アメリカを代表する作家、ジョン・アップダイク。
アメリカの片田舎イーストウィックを舞台に、安穏とした日常に潜む人間の闇を描いた作品で、脚本自体もなかなか面白いのですが、兎にも角にも、この作品はキャスティングの勝利。そもそも主役となる3人はどこにでもいるような普通の生活を送っていた女たちですが、悪魔の手ほどきによって”女”を開花させ、しかも魔性まで身にまといます。それをこのベテラン3人組が演じるわけですから、その華やかさ、存在感ともにハリウッドのスーパーへヴィー級。彼女達の演技を見ているだけでも十分楽しめます。個人的にはミシェル・ファイファーのファンなのですが、シェールの存在感、スーザン・サランドンの演技はやはりすごい。いや、もちろんミシェル・ファイファーの”痛み”の演技も凄まじいですが。で、問題は相手役。これだけの女優が揃うと並大抵の男優では相手にならない。トム・クルーズは子供過ぎるし、かといってショーン・コネリーでは紳士すぎ。ケヴィン・コスナーもハリソン・フォードも悪人(女たらしという意味で)にはなりきれない。ブラッド・ピットあたりはいい線いくかもしれませんが、やはり若い。そこで、ジャック・ニコルソン。まあこの人以外にはいないでしょうな、という感じです。
彼が演じる悪魔に翻弄される女たちですが、客観的に見れば、終盤ジャック・ニコルソンが叫ぶ「お前たちが呼んだから出てきたのに、飽きたらあっさり捨てるのか」という台詞に集約されるように、実は女の性に弄ばれる男という図式があります。男の立場からすると何とも哀しいのですが、俳優陣の演技が重すぎないところが大人のテイスト。特殊効果もやりすぎていないところが好感が持てます。ロバート・ゼメキスが監督でなくて良かった、っていうのは言い過ぎですか。嘔吐の場面が少し多いのが気になりましたが、これはご愛嬌。全体的に台詞にセンスがあって小気味いいですね。序盤の女たちの本音トーク、悪魔が女たちを落とすときに使うフレーズも楽しいです。女を口説くときは「お前しかいない」が、基本。ただ複数に言ったら結果はご覧の通りということ。ご用心。
なお、この作品は1987年アカデミー賞の作曲賞(ジョン・ウィリアムズ)・録音賞にノミネート。ジャック・ニコルソンは同年のNY批評家協会賞の男優賞、及びLA批評家協会賞の男優賞を受賞しました。

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