No.226
タイトル
ドレス
(原題)
DE JURK
監督
アレックス・ファン・ヴァーメルダム
キャスト
アリーアヌ・シュルター、アンリ・ガルサン、オルガ・ツイダーフク他
制作
1996年/オランダ
ジャンル ドラマ
上映時間
99分
評価
★★★★
<ストーリー>
デザイナーの男がふとした拍子に目にした何の変哲も無い木の葉の柄。彼はその柄をそのまま会社に提案。カラフルなドレスができあがる。ところがそのドレスは、昔から封印してきた人間の知られたくない欲望を蘇らせた。そのドレスを着たある者は命を失い、ある者はストーカーに襲われ、またある者は激しく欲情する.....。

<コメント>
カラフルな1枚のドレスが次から次へといろんな人に渡り、その先々で起こるさまざまな物語を綴ったドラマ。監督は前作『アベル』(1986)でもシニカルな視点を盛り込んだコメディを披露したアレックス・ファン・ヴァーメルダム。
とにかく冒頭から”少し変わった”人物が目白押し。いきなり別れ話を始める女。その相手の男がドレスをデザインするので、彼が主人公かと思いきや、彼の周りに住む人間や会社の重役たちが動き出す。そうやって次々と登場する人物が発する言葉や起こす行動はやっぱりどこかおかしい。しかも、それぞれの主張は変でも、少なくとも本人は筋が通っていると思っているであろうところが、ねじれていて面白いです。
ドレスそのものがいろんな階層の人々に渡るという群像劇的な見方も出来ますが、特定の人物にフォーカスしてみるのもあり。興味深いのは序盤で首になる服飾メーカーの重役。彼はドレスに対する意見を述べただけで会社をクビになり、そこから社会の底辺に転げ落ちます。彼にとってのドレスとはいったい何だったのでしょうか。後はストーカーっぽい行動を見せる車掌。自分はノーマルだといい、ドレスに導かれるまま自分の欲望の通りに振舞いますが、その行動はどう考えても普通じゃない。彼自身、実はドレスに操られているだけなのかも。
何度か繰り返し見ると、意外に冒頭の作業車に刈り込まれる草木のシーンが何とも象徴的に感じられます。人間が持って生まれたもの、後から獲得したもの。プロセスは違えど共通するのは、その人間の一生をあやつる運命のようなものの存在。ドレスはその運命を導く道しるべ。そして、それを着た人を特別幸せにするでもなく、どちらかと言うと不幸にするのですが、それはその人の人生を濃縮しているだけのことなのかもしれません。
実際にはコミカルなやり取りも多く、キャラクター的にも面白い人物がたくさんいるので、コメディ的な要素も残したまま物語は進むのですが、最後まで見終わった後にさほど嫌悪感がないのは、前述の二人の男のどこか間の抜けたキャラクターもあるのではないかと思います。
全編を貫くシニカルなトーンとリズムが小気味よい作品です。

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