No.398
タイトル
ドニー・ダーコ
(原題)
DONNIE DARKO
監督
リチャード・ケリー
脚本
リチャード・ケリー
キャスト
ジェイク・ギレンホール、ジェナ・マローン他
制作
2001年/アメリカ
ジャンル ドラマ
上映時間
113分
評価
★★★★★

【 ストーリー 】
アメリカ・マサチューセッツ州ミドルセックス。ある晩、夢遊病に悩まされている高校生ドニー・ダーコ(ジェイク・ギレンホール)の前に銀色の不気味なウサギが現われる。ウサギはドニーに「あと28日6時間42分12秒で世界が終わる」と告げる。翌朝、ドニーがなぜかゴルフ場で目を覚ますと、腕には「28.06.42.12」の文字が書かれており、帰宅してみると家にはジェット機のエンジンが落下していた.....。

【 コメント 】
『ジャーヘッド』(2005)、『ゾディアック』(2006)などで活躍し、アメリカを代表する若手俳優に成長したジェイク・ギレンホール主演のパラレルワールド・ムービー。監督はこれが初の長編作となるリチャード・ケリー。

公開当時はかなり話題になり、2001年のサンダンス・フィルム・フェスティバルやインディペンデント・スピリット・アワードなど、さまざまな賞でノミネート・受賞の対象となった作品ですが、内容的にはかなり難解です。
目の前に現れた不気味な銀色のウサギに「あと28日と6時間42分12秒で世界の終わりが訪れる」と告げられた高校生ドニー・ダーコの物語。
複数の世界が存在するようにも見え、複数の物語が絡み合っているようにも見え、ストーリーも破綻しているようなしていないような、ある意味見る人を選ぶ作品かもしれません。
しかしながら、ただ難解でいくつもの解釈が存在するというだけではなく、80年代の音楽をうまく使ったり、恋愛物語を伏線として使ったりしながら、青春映画としても、ファンタジー要素のあるミステリー映画としても、楽しめる作品となっています。
主演のジェイク・ギレンホールの演技も素晴らしいです。自己中心で皮肉屋でありながら繊細さを感じさせるキャラクターからは、思春期にありがちな孤独感が伝わってきます。ちなみに作中のお姉さん役を演じるのは実の姉・マギー・ギレンホール。

そして、やはり特筆すべきは音楽の使い方。
冒頭のシーンで、夜明け+自転車+エコー&ザ・バニーメンの”キリング・ムーン”が織り成す、倦怠感に包まれた世界の始まりの美しさ。終盤、世界が崩れ落ちる寸前の闇に流れる、ティアーズ・フォー・フィアーズの『狂気の世界/マッド・ワールド』がかもし出す危うさ(歌詞ともリンクしてます)。完璧です。私たちが生きている世界は、創造と破壊が繰り返されるだけの狂気の世界なのか、それとも希望の光が降り注ぐ陶酔の世界なのか。何度も見たくなること、間違いなしの作品です。

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